コーヒーの値段には、不思議な境界線があります。 一杯の値段が少し変わるだけで、その飲み物が持つ「距離感」まで変わってしまうのです。 ほんの少し高くなるだけで、その一杯は日常からふわりと離れ、まるで特別な儀式のような距離をまといはじめるのです…
三月八日、日曜日の午前。 久しぶりに焙煎機に火を入れた。 前回、豆を焼いたのは一か月も前のことだ。 あのときは、自分の飲む分と、お供えに使う分、そしてご近所さんへのささやかな差し入れだけ。たった一回の焙煎で十分だった。 しかし昨日は違った。 営…
新しいパソコンを開封した朝に 三月一日の日曜日に注文したパソコンが、四日の水曜日に届いた。 段ボール箱を開けたのは、翌日の木曜日。 新しい機械の匂いと、薄い保護フィルムの手触り。 そのどれもが、久しぶりに「未来」を感じさせてくれた。 初期設定に…
2月末の4日間、循環器のカテーテル治療のために入院していました。 たった 4日間とはいえ、74歳の身体にはなかなか堪える(こたえる)もので、退院した日に10メートル程度の距離を少し速足で歩いただけで息が上がる始末。 体力の衰えを、身をもって感じ…
私たち夫婦は、長い間ふたりきりで暮らしてきました。 二人の間には子どもはおらず、親戚づきあいもほとんどない。 だからこそ、何かあったときに頼れるのは、いつもお互いだけでした。 病気になったときも、気持ちが沈んだときも、そばにいるのは妻だけ。 …
1週間前、妻の四十九日の法要を終え、永代供養のお墓に納骨を済ませました。 これで一区切り…のはずなのですが、心の中にはぽっかりと大きな穴が空いたままです。 脱力感という言葉では足りないほどの、深い静けさに包まれています。 妻の四十九日の法要の…
久しぶりに焙煎機に火を入れました。ちょうど2か月ぶり、久しぶりの焙煎です。 手順を思い出しながらの作業は、どこかぎこちなく、ところどころ抜けてしまっていて、いつもなら20数分以上かけていた焙煎時間が、今回は20分ほどで終わってしまいました。 …
仕方のないことなのですが、どうにも心が落ち着かない日が続いている。 「この不安定さから抜け出すには、商売を再開するのが一番だ」と思い、焙煎機の前に立つ自分の姿を何度も思い浮かべた。 コーヒー豆を焙煎し、通販サイトと店を開ければ、また日常が戻…
妻を亡くしてからというもの、胸の奥にぽっかりと穴が空いたまま、時間だけが静かに流れていくようになった。 その穴は、ふとした瞬間に冷たい風が吹き抜けるようで、どれだけ日が経っても埋まる気配がない。 朝起きても、夜になっても、生活のどこかに彼女…
妻が旅立ってから、時間の流れがこれほど重く、ゆっくりと進むものだとは思わなかった。 時計の針は確かに動いているはずなのに、自分の中だけはどこか止まったままのようで、朝が来ても昨日の続きのまま心が動かない日が続いた。 最初の二週間ほどは、ただ…
電子書籍『小説・コーヒー豆焙煎の手引き』を出版しました! 2025年12月12日(金)、キンドルで電子書籍『小説・コーヒー豆焙煎の手引き』をセルフ出版しています。 この本は、約1万5000字(全56ページ)の小説仕立てで、コーヒー豆の焙煎に…
妻が旅立って、もうすぐ一か月が経とうとしています。 不思議なもので、日が経つにつれて、あの時の「悲しみ」は少しずつ形を変え、「寂しさ」として胸に広がってきました。 最初の頃は、ただただ涙がこぼれるばかりでしたが、今は、ふとした瞬間に、深いた…
妻が旅立って、まもなく一か月が経とうとしています。 私自身も「心不全」で入院していましたが、主治医の配慮もあり、通常よりも短い10日間で退院させていただきました。 とはいえ、退院後の生活は決して楽なものではなく、体力も気力もまだまだ本調子には…
2024年10月、日赤入院中の写真です。この写真が一番最新の写真です。 2020年代の写真です 2020年代、バッチサイズ1kgの焙煎機を妻専用の焙煎機にしようと購入しました。
「エカワ珈琲店の営業成績とエカワ家の家計」シリーズ、2025年12月の記録をもって一区切りすることにしました。 2025年12月、エカワ珈琲店にとって、大きな転機となる月でした。 12月に入り、妻の体調が思わしくなくなり、私自身の体調も次第…

