「エカワ珈琲店」は、和歌山市の和歌山県庁近くに立地している小さなコーヒー豆自家焙煎店です。
1989年に、ビジネス街のどこにでもある喫茶店からコーヒー豆自家焙煎店に衣替えして、その後30数年間、家族二人だけでコーヒー豆自家焙煎店を営んでいます。
令和(2024年)の現在、コーヒー豆自家焙煎店は、全国的な「コーヒーブーム」の真っ只中で商売をしています。
10年くらい前、2010年代の中頃くらいから、コーヒー豆自家焙煎店に「コーヒーブーム」の風が吹いて来ていると感じていました。
「コーヒーブーム」の真っ只中にあると実感できるようになったのは、2020年代に入ってからです。
エカワ珈琲店は、近年の「コーヒーブーム」の影響もあって、マーケティングの基本は「文化」だと考えるようになっています。
ここ数年、なけなしのお金をはたいて、何回も何回も、ダイレクトメールやチラシを使って広告宣伝活動をして来たのですが、ほとんど効果がありません。
広告宣伝活動とマーケティングは、全く別の次元の物語になっているのかもしれません。
2024年、エカワ珈琲店は、隠居仕事(小遣い稼ぎ)のコーヒー豆自家焙煎店に生まれ変わる事にしました。
今までのコーヒー豆自家焙煎店商売にピリオドを打って、コーヒー豆自家焙煎店の営業を、隠居(リタイアした高齢者)の小遣い稼ぎの仕事と考える事にしました。
「隠居仕事(小遣い稼ぎ)」ですから、お金を使っての販促営業活動や宣伝広告活動は行わず、コーヒー消費者の自由意志で自家焙煎コーヒー豆や1杯のコーヒー(商品・サービス)を消費してもらうための工夫だけを考える事にしました。
それも、エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)の場合、楽しい隠居仕事の一つです。
今(2024年)の年老いた珈琲豆焙煎屋は、最も価値を持つマーケティングとは、営業販促活動や宣伝広告活動に左右されないで、消費者の自由意志で商品やサービスを消費してもらうための工夫だと考えるようになっています。
2020年代、ほぼ日本全国のコーヒー豆自家焙煎店は、世界的な「コーヒーブーム」の真っ只中に居て、その追い風を受けています。
「零細生業商売」から「隠居仕事」に衣替えしたエカワ珈琲店も、その例外ではありません。
年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の店主)が運営管理しているホームページやブログ経由で、エカワ珈琲店を見つけてくれるコーヒー消費者が増えて来ています。
インスタグラムなどのSNSを利用できればと考えているのですが、自分たちの年齢が年齢ですから、今のところホームページとブログ、それとgoogleのマイビジネスを利用するのがやっとです。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、エカワ珈琲店から100数十mの距離にある「県庁前」バス停前の理容店で定期的に(2か月に一度くらいのペースで)散髪しています。
その理容店の隣に、2024年正月、小さなカフェがオープンしました。
その小さなカフェですが、看板も営業案内もありません。
元旦から営業を開始していましたが、毎日・毎日、インスタグラムを通じて店の存在を知った若い人たちが来店していて繁盛しています。
エカワ珈琲店の10数m南にある古いビルの2階に、繁盛している美容室があります。
この美容室も看板は無くて、ビルの郵便受けに小さく店名を表示しているだけです。
インスタグラムを通じて店の存在知った若い人たちが、来店しているのだと思います。
ちなみに、エカワ珈琲店にものすごく近い美容室なので、便利だという事で、年老いた珈琲豆焙煎屋の連れ合い(妻)も、最近は、その美容室を利用しています。
小規模零細ビジネスの領域限定なのかもしれませんが、マーケティング=ネットワーク効果に依存できる時代が到来しているのかもしれません。
文化が変化すれば、生活スタイルも変化すると思っています。
そして、その文化は、人と人とがつながるネットワーク効果によって拡散して行くのだと思います。
人と人が一緒に何かをすることで、社会も変化して行くのだと思っています。
10数年前、セスゴーディンさんは、マーケティングの3つの変化について彼のブログで語っていました。
(1)マーケティングと広告活動は、もはや同じものではない。
(2)最も価値のあるマーケティングのカタチは、自由意志で消費すること。
(3)マーケティングで最も強力なのが、ネットワーク効果。
株式上場している大手・中堅企業や株式上場を目指している企業、そうでなくても、ある程度の規模を持っている企業など、常に「成長」を続ける必要がある組織の場合、この「マーケティングの3つの変化」に対応するのは大変だと思っています。
「無視をする」・「知らないふりをする」というのが、一番無難な対応だと想像しています。
もしそうなら、巨大な競争相手が存在しないという事なので、中小零細事業者には、時代(文化)に即した簡単なマーケティングを駆使するだけで、明るい未来が待って居るのだと思っています。
年老いた珈琲豆焙煎屋が店主をしているエカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆小売業を営んでいるので、『焙煎コーヒー豆』を使って例えばなしをします。
公正取引協議会で定めている焙煎したコーヒー豆の賞味期間は1年ですが、それは、賞味期間を1年にしなければ、大量生産・大量販売のマスマーケティングが成り立たないからという話を聞いたことがあります。
それなら、「煎りたて、新鮮、香りの良い自家焙煎コーヒー豆」を求める文化が登場するだけで、コーヒー業界の地形図が変わってしまうこともあり得ます。
その文化に適応するためのマーケティングは、個々のコーヒー豆自家焙煎店が、「煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆」を強調する事から始まると思っています。
エカワ珈琲店は、「煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆」を、和歌山市の店舗から、ネコポス便を利用して日本全国のコーヒー愛好家の人たちにお届けしています。