古希3ブログ

エカワ珈琲店とその周辺の出来事、エカワ珈琲店オーナーの思い付き、などなどの記事をエントリーしています。

古い商売の市場の隣に新しい市場がある。衰退する商売の隣に成長する商売がある。

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クイックナビゲーション

 

一つの商品・商店・商売が衰退・消滅する原因

一つの商品、一つの商店、一つの商売が衰退・消滅して行く原因ですが、その商品・商店・商売に対する絶対的な需要が消えて無くなってしまったのでは無くて、その消費需要を、もっともっと充分に満たしてくれる商品・商店・商売が登場してきた結果、需要を奪われてしまうからだと考えるのがマーケティングの常識となっています。

これから成長しようとしている商売や成長を続けている商売は、消滅しようとしている商売や衰退を続けている商売のすぐ近くに存在しているのだと思います。

ですから、一つの商品・商店・商売に対する需要が、新しく登場した商品・商店・商売に簡単に移動して行くと考えるのが一般的だと思っています。

 

消費需要の移動例

オフィス環境が充実して、オフィスコーヒーサービスが普及して、その結果、ビジネス街の喫茶店は衰退して行きました。

喫茶店の衰退には、ファーストフード店やファミリーレストラン、それにスターバックスコーヒーやドトールコーヒーやこめだ珈琲店などの喫茶店チェーン店の増加も影響していると考えています。

コンビニエンスストアーが街の至るところに存在するようになって、○○商店という街の何でも屋さんが姿を消してしまいました。

チェーン経営の飲食店が多くなるのに比例して、街中に定食屋さんが少なくなってしまいました。

街の郊外にショッピングセンターが出来て、街中の商店街がシャッター商店街となってしまいました。

 

衰退する商売の復活は難しい

一つの商品・商店・商売が消えて行く原因や不振の原因をいくら追究したとしても、それを復活させるのは至難の業だと思います。

それを上回る商品・商店・商売が登場して来て、消費者の需要がそちらの方に移動して行ったわけですから、それをそのまま復活させるのはまず不可能だと思っています。

シャッター商店街を復活させようとして、どの商店街でも相当な努力が成されていますが、シャッター商店街がよみがえったという話はなかなか聞こえて来ません。

 

ここで、我がエカワ珈琲店の体験談です。

エカワ珈琲店は、年老いた珈琲豆焙煎屋(71歳)とその連れ合い(62歳)の二人だけで切り回している地方都市の小さなコーヒー豆自家焙煎店で、30年以上、コーヒー豆自家焙煎店商売を続けています。

大手・中堅珈琲会社が、家庭向け・オフィス向けコーヒー消費市場に無関心だった1990年代は、毎年毎年、売上を伸ばし続けていて、大手・中堅珈琲会社が家庭向け・オフィス向けコーヒー消費市場に関心を持ち始めた2000年前後からは、毎年・毎年、売上が減少して行きました。

2000年代の中頃、廃業・破産の一歩手前まで追い詰められていましたが、2010年前後の頃から、スペシャリティーコーヒーを取り扱うコーヒー豆自家焙煎店に商売方針を変更した結果、「廃業・破産とさようなら」することが出来て、2023年の現在でもコーヒー豆自家焙煎店商売を続ける事が出来ています。

 

すぐ近くに新しい消費市場が

家庭向け・オフィス向け自家焙煎コーヒー豆を販売するコーヒー豆自家焙煎店商売のすぐ隣に、スペシャリテイーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆(クラフトコーヒー)を販売するコーヒー豆自家焙煎店商売の市場が存在していて、エカワ珈琲店は、前者の市場から後者の市場に商売の重心を移すことで廃業・破産の危機を脱することができました。

スペシャリテイーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆(クラフトコーヒー)を製造販売するコーヒー豆自家焙煎店商売の市場は、2010年代に入ってから徐々に市場規模が拡大を続けている新しいコーヒー消費市場で、2023年の現在は、静かなブームの状態になっています。

 

文化的遺産になることで

年老いた珈琲豆焙煎屋は、只今71歳です。

10年早く、クラフトコーヒーのコーヒー豆自家焙煎店ブームがやって来てくれていたらと考えることがありますが、それは無いものねだりだと考えることにしています。

クラフトコーヒーのコーヒー豆自家焙煎店ブームのお陰で、71歳と62歳の夫婦二人だけで切り回しているコーヒー豆自家焙煎店でも商売を続けることが出来ているわけですから。

もしかしたら、近い将来、現在進行形のクラフトコーヒーの自家焙煎店ブームに埋没してしまうことがあるかもしれません。

その対策として、エカワ珈琲店は、文化的遺産になることで、将来に渡り商売を存続させる道を模索している今日この頃です。

 

【参考】「クラフトコーヒーとは?」、年老いた珈琲豆焙煎屋のブログにエントリーしている記事を読んで頂ければ、ある程度は理解して頂けるかもしれません。

www.ekawacoffee.wor