エカワ珈琲店の出来事【雑記帳・備忘録】

零細生業ジジババ商売をしているコーヒー豆自家焙煎店、和歌山市のエカワ珈琲店の店主が綴る雑記帳・備忘録。ちなみに、店主は今年の秋に71歳となる年老いた珈琲豆焙煎屋です。

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「年老いた珈琲豆焙煎屋の珈琲物語」

 

【食品の味】旨味について、コーヒーの世界では旨味が注目され始めている

2022年現在、味は、酸味・甘味・苦味・塩味・旨味の5つの基本味に分類されています。

それぞれ独特の味を持っていて、動物が栄養を積極的に摂取して、有害物から身を守る役割を演じています。

旨味の代表はグルタミン酸ですが、グルタミン酸は最も多く存在するアミノ酸で、蛋白質の存在を教えてくれるシグナルの役割をしています。

 

 

【目次】

 

「おいしい」と「旨味」、「うまい」と「旨味」

「旨味」は技術用語ですが、「おいしい」や「うまい」は、食品の美味しさを表現する用語として使われています。

食品の美味しさは、味や香りだけで感じるものでは無くて、料理の見た目や食事をする場所の雰囲気、食感やその人の体調、世間の評判などなど、様々な要因の影響受けています。

他の味をどのように組み合わせても作り出すことのできない味が基本味で、「旨味」は5つある基本味の一つです。

また、日本では「うまみ」があると言えば、一般的に食べ物の味が良いことを表現していて、コクがあってバランスの取れた味の良い食感を表現しています。

また、後味、「丸み」などの口当たりを表現するのに使われてます。

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旨味の発見

旨味を発見したのは、東京帝国大学の池田菊苗博士です。

昆布だしの独特の味を研究していて、1908年に昆布だしからグルタミン酸を取り出すことに成功、その味を「旨味」と名付けました。

その後、鰹節に含まれるイノシン酸、しいたけに含まれるグアニル酸も「旨味」を呈することが解明されました。

「旨味」は、池田菊苗博士が、日本語の「うまい」と「味」を組み合わせて作成した用語だと言われています。

2022年の現在、「UMAMI (うまみ)」は世界共通の公式用語となっています。

 

旨味が基本味に

1908年に旨味が発見されて、「旨味 | UMAMI」が基本味の一つだと認められるまでに大体100年の年月が必要でした。

日本の学者の大多数は「旨味」が基本味の一つだと主張していましたが、欧米の学者たちの大多数は、「旨味」は他の基本味の風味を増強する調味料のようなものだと考えていたようです。

それが、2000年に舌の味蕾にある感覚細胞で旨味受容体が発見されて、「旨味」が5番目の基本味と認知されるようになりました。

 

基本味の条件と旨味

基本味の条件は、次の4つです。

(1)明らかに他の基本味とは違う味

「旨味」は、明らかに他の基本味とは異なっています。

(2)普遍的な味

旨味物質は多くの食べ物に含まれていて、旨味は普遍的な味です。

(3)他の基本味と組み合わせても、その味を作り出せない味

他の基本味と組み合わせても、旨味を作り出すことは出来ない。

(4)他の基本味とは独立した味と、神経生理学的か生化学的に証明できる味

旨味は、他の他の基本味とは独立の味だと、神経生理学的に証明されています。

 

旨味の強さと相乗効果

池田菊苗博士は、湯豆腐を食べていて「旨味」を発見したという伝説もあります。

コンブで煮出したダシも、カツオブシで作ったダシも、それほど旨味は強くありません。

だけど、コンブとカツオブシの両方を使って作ったダシは、相乗効果で強い旨味を持っています。

湯豆腐を食べる時はコンブでダシを取りますが、豆腐を食べる時にはカツオブシの入った醤油につけるから旨味が出ます。

また、うま味の強い食品には、肉やスープ、きのこ、海藻、トマト、チーズ(特に熟成したもの)、魚介類、甲殻類、味噌やキムチなどの発酵食品があります。

 

旨味調味料

旨味調味料として使われているのは、グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸の3種類です。

天然の旨味物質として、トリコロミン酸とイボテン酸が知られていますが、これらは毒性があるので食品添加物としては使えません。

食べ物に旨味調味料を添加すると、その食べ物の旨味が一段と強くなります。

これは、添加した旨味成分と食べ物の中の旨味成分との間で相乗効果が発生しているからだと考えられます。

 

コーヒーと旨味

コーヒー豆にはアミノ酸が含まれているので、当然、グルタミン酸も含まれています。

ですから、コーヒーに旨味があっても不思議では無いと思います。

しかし、コーヒー生豆に含まれる旨味成分は非常に少ないので、コーヒーの風味で旨味を感じる可能性がほとんど無いと考えられます。

コーヒーの風味の中に旨味成分が微かに含まれていて、その旨味成分がコーヒーの香りの助けを借りてコーヒーのコクや後味を作り出しているという見方もあります。

年老いた珈琲豆焙煎屋は、この見方に何故か親近感を覚えます。