エカワ珈琲店の出来事

エカワ珈琲店の爺さんと婆さんの日常と仕事の出来事、それと備忘録・雑記帳。

焙煎機の音とコーヒーの香りが漂う家での介護

エカワ珈琲店の婆さんですが、2年前(2023年)の正月頃までは、お腹の調子が悪くて急性期治療の大病院に外来治療で通っていましたが、まさか1級の身体障害者手帳を受け取るとは思っていませんでした。

昨年(2024年)の春には身体障害者3級の手帳が交付されていましたが、その時点では、それほど日常生活に支障がありませんでした。

 

しかし、昨年(2024年)の夏頃から健康状態が悪化し、2024年8月中頃から2025年5月中旬まで急性期治療専門の大病院で長期入院していました。(途中で1か月間、退院して、家で過ごしていた時期がありましたが)

その間に人工透析の治療も始まり、今年(2025年)6月に1級の身体障害者手帳が交付されました。

 

エカワ珈琲店の婆さんは、長期入院の影響か他に原因があるのか定かではありませんが、介助なしで一人で歩くことができません。

9月中旬から急性期治療専門の大病院に再び入院しているため、一時的に介護の負担は減っていますが、5月中旬から9月中旬までの4か月間は爺さんが自宅で婆さんの介護をしていました。

 

一人で歩けない状態の介護は、かなり大変です。

エカワ珈琲店の爺さんはコーヒー豆の自家焙煎店の仕事に慣れており、自宅の一部を店舗にして週に土曜日と日曜日の2日だけ営業を続けています。

しかし、自宅以外で働いていたり会社勤めをしている場合、婆さんのような健康状態の介護をしながら働くのは大変難しいと思います。

介護をするためには仕事をあきらめざるを得ず、その結果収入がなくなってしまいます。

この点だけならエカワ珈琲店の爺さんは、もしかしたら「運が良い」のかもしれません。

 

9月中旬の緊急入院前までは、2年前の婆さんの健康状態には戻らないものの、家の中なら一人で動ける程度には回復すると淡い期待を持っていました。

しかし、緊急入院で1か月以上の長期治療が必要と診断され、その期待はあきらめざるを得なくなったとエカワ珈琲店の爺さんは考えています。

74歳の爺さんの健康を心配する声もあり、急性期治療終了後にリハビリ病院へ転院し、入院中に介護施設を探すことを勧められたこともあります。


もちろんそれは当然のことですが、婆さんはどうしても慣れ親しんだ自宅に戻りたいと望んでおり、リハビリ病院への転院や介護施設の利用も拒んでいます。

婆さんは透析治療を受けており、さらに短腸症候群の状態にあるため、緊急入院が必要な症状が出なければ、自由に「ちょっと食い」ができる自宅での療養が最適だと爺さんは考えています。

 

また、現在のエカワ珈琲店の経済状況や家庭事情では、生活保護を受けない限り介護施設への入居は経済的に難しいと考えています。

しかし、今のエカワ珈琲店の財政状況と資産の状況で、生活保護は100%あり得ません。

婆さんの年金だけでは介護施設の費用をまかなえず、爺さんの年金の大部分を使わなければなりません。

 

コーヒー豆自家焙煎店の商売が続けられれば、何とか生活に困らない程度の収入は得られると思っていますが、それも「商売が続けられれば」という条件付きです。

こうした不確かな状況で介護施設に入るのは難しいと考えています。

さらに、爺さんと婆さんは、二人だけで暮らして来たので保証人もいません。

したがって、現時点で婆さんが介護施設に入る選択肢は、物理的にあり得ません。

 

婆さんは自宅で療養したいと言い、爺さんも一人で寂しく暮らすよりは介護が必要でも家族がそばにいる方が心の支えになると感じています。

こうした事情から、エカワ珈琲店の爺さんは長年連れ添った婆さんを自宅で介護する決意を固めています。

焙煎機の音とコーヒーの香りが漂う家で、二人が静かに暮らして行けたらと爺さんは考えています。