エカワ珈琲店の出来事

主に、エカワ珈琲店の日常の物語をお届けしています。

思い出の日常

風の強い土曜日に、店の奥で思い出すこと

4月4日の土曜日は、まるで季節外れの台風のような一日だった。 風は唸り、雨は横殴りで、店の前の通りを歩く人影もほとんど見えない。 そんな天気のせいか、店に来てくれたのは3人だけ。 しかも、3人とも正午(12時)から12時30分のあいだに集中して…

病院の待合室から見える景色

総合病院の循環器内科の待合室に腰を下ろすと、視界の端にあの廊下が見える。 車いす専用のトイレへと続く、あの短いようで長い廊下。 去年の夏、週に三度、妻と一緒に通った透析室へ向かう道のりだ。 タクシーを降り、車いすを押しながらエレベーターに乗り…

小さな一歩が、止まっていた時間を動かした日

新しいパソコンを開封した朝に 三月一日の日曜日に注文したパソコンが、四日の水曜日に届いた。 段ボール箱を開けたのは、翌日の木曜日。 新しい機械の匂いと、薄い保護フィルムの手触り。 そのどれもが、久しぶりに「未来」を感じさせてくれた。 初期設定に…

二人で焙煎していた日々を思い出しながら

久しぶりに焙煎機に火を入れました。ちょうど2か月ぶり、久しぶりの焙煎です。 手順を思い出しながらの作業は、どこかぎこちなく、ところどころ抜けてしまっていて、いつもなら20数分以上かけていた焙煎時間が、今回は20分ほどで終わってしまいました。 …

思い出の写真、妻(その3)

2024年10月、日赤入院中の写真です。この写真が一番最新の写真です。 2020年代の写真です 2020年代、バッチサイズ1kgの焙煎機を妻専用の焙煎機にしようと購入しました。

「ふたりだけの家族」——別れの冬に

十二月の冷たい風が吹き始めたころから、私の身体は少しずつ悲鳴を上げていた。 動けばすぐに息が切れ、胸の奥に鈍い痛みが走る。 けれど、そんなことに構っていられなかった。妻が入院していたからだ。 毎日、数時間は病院で過ごして、顔を見て、手を握って…

思い出の写真、妻(その1)

2025年12月27日の早朝(午前8時過ぎ)に亡くなった妻の写真を集めています。 私たち夫婦はバツイチの再婚同志で、結婚したのは1995年(平成7年)の秋です。 妻が34歳で、私が42歳でした。 インターネットに保存している写真の大半は、妻が40…

思い出の写真、妻(その2)

2025年12月27日の早朝(午前8時過ぎ)に亡くなった妻の写真を集めています。 今回は、その第2集です。 私たち夫婦はバツイチの再婚同志で、結婚したのは1995年(平成7年)の秋です。 妻が34歳で、私が42歳でした。 インターネットに保存して…

焙煎機をしばし休ませて

12月の風が冷たさを増す頃、妻の容態が少しずつ、けれど確かに、芳しくなくなってきました。 今は個室に入院しています。大部屋では面会が難しいため、少しでも長く一緒に過ごせるようにと、個室を選びました。 幸い、以前の大病院に比べれば費用も抑えら…

焙煎の香りと、病室の窓辺で

秋のはじまり、空気が少し冷たくなり始めた頃、妻が入院した。 9月に20日間の入院を経て、いったんは家に戻ってきたものの、わずか1週間の在宅生活ののち、10月3日から再び病院のベッドに戻ることになった。 それから今日、12月20日まで、妻は病…

「運」を呼び込みたいコーヒー豆自家焙煎店

妻の体調は、まるで季節の移ろいのように、少しずつ、しかし確実に変わっていった。 最初は「お腹が痛い、お腹が痛い」と言っていたのが、やがて通院が日常になり、今では介護なしでは暮らせないほどになってしまった。 そんな妻の変化を見守りながら、ぼく…

「つき」を呼び込むために

秋の終わり、冬の気配が忍び寄る今日この頃。 空を見上げていても、なかなか「つき」がやって来てくれません。 そんな感覚が、胸の奥にじんわりと広がっています。 先月(2025年10月)、安易な気持ちで依頼してしまった電気工事が、思いもよらぬ形で跳ね…

暮らしの中心にあるもの

妻(エカワ珈琲店の婆さん)が入院して、もう40日以上経っています。 エカワ珈琲店の“婆さん”(小生の妻)は、今も病院のベッドで治療を受けていますが、どうやら今月中には退院できそうです。ほっと胸を撫で下ろす思いです。 入院直後の十日間ほどは、入院関…

自宅介護と仕事と商売、そしてこれからのリフォーム

長年連れ添った配偶者(エカワ珈琲店の婆さん)は、身体障害者手帳1級の認定を受けています。 介護や介助がなければ生活が難しい状態となり、日常生活は大きく変わりました。 我が家(エカワ家)の経済状況や本人の希望、そして私(エカワ珈琲店の爺さん)…

「働ける幸運」と「介助する日々」

30年以上の間、夫婦ふたりで暮らして来ました。 夫婦ふたりのうちどちらかが病を抱え、介護や介助が必要になると、もう片方は自然とその役割を担うことになります。 外で働いているのなら、働く時間は削られて収入は減り、生活はじわじわと厳しくなってい…

焙煎機の音とコーヒーの香りが漂う家での介護

エカワ珈琲店の婆さんですが、2年前(2023年)の正月頃までは、お腹の調子が悪くて急性期治療の大病院に外来治療で通っていましたが、まさか1級の身体障害者手帳を受け取るとは思っていませんでした。 昨年(2024年)の春には身体障害者3級の手帳…

妻の介護と、週末だけの珈琲店営業

74歳になった今、人生のリズムは大きく変わりました。 長年連れ添った妻が身体障害1級の認定を受け、日常生活のほとんどに介護と介助が必要になっています。 介護は、想像以上に時間と体力を要します。 食事の準備、トイレの介助、通院の付き添い、お風呂…