小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)、今年の秋で72歳となります。
自分の周りの(交流のある)同世代の連中には、現役で仕事をしている(大体が自営業者です)連中が多いのですが、それは、小生が自営業者で、この年齢になっても細々とコーヒー豆自家焙煎店商売を続けているからだと思っています。
自営業者の公的年金は「国民年金」が中心ですが、自営の商売人で国民年金を満額受給できる人は稀な存在だと思います。
それに、たとえ満額受給できたとしても、毎月の支給額が6万円から7万円くらいの国民年金だけで食べて行くのは無理というものです。
ほとんどの自営の商売人は、国民年金保険料の未納期間や免除期間を持っています。
国民年金だけでは食べて行けないということで、65歳を超えても、70歳を超えても、75歳を超えても、あるいは80歳を超えても、現役で商売を続けて食い扶持を得ることになります。
自分の周りの範囲をもう少し広げると、「悠々自適の年金生活」を送っている連中や、健康維持と小遣い稼ぎが目的で1週間に2日~3日、デスクワークの仕事に就いている連中が多くなります。
完全にリタイア生活に入っている連中も居れば、不完全なリタイア生活(セミリタイア生活)を送っている連中も居ます。
しかし、完全なリタイア生活をしている連中も、不完全なリタイア生活(セミリタイア生活)を送っている連中も、公的年金という魔法の財布を持っていて、その魔法の財布だけで十分に(あるいは、何とか)食べて行ける連中が大半です。
20世紀、会社勤めから脱して独立自営の商売人となって働く脱サラが、会社勤めをしている人たちのあこがれでした。
21世紀の今は、会社勤めから脱して家賃収入や株式投資などの不労所得で食べて行くセミリタイアがあこがれの的になっています。
小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)と連れ合いは、和歌山市で零細生業規模のコーヒー豆自家焙煎店「エカワ珈琲店」を二人だけで営んでいます。
2000年代の後半頃から10数年間、特に2010年代の中頃からの数年前からは、気楽に稼げて食べて行ければという商売を続けて来ています。
別に不労所得で食べているわけでは無いけれども、小生と連れ合いの暮らし方・働き方は、お金を持っていないという事と、生活の行動範囲が狭いという事を除けば、50代くらいでセミリタイアした人たちの暮らし方とそれほど変わらないような気がします。
てすから、ここ数年間の我がエカワ珈琲店の商売の仕方・働き方を、小生は、セミリタイア商売と呼ぶのが適当だと思っています。
連れ合いは2010年代中頃に大病を患っていますが、古希を迎えるまでの小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)は比較的に健康で、お医者さんとはあまり縁の無い生活をして来ています。
しかし、古希を超えてからは、新型コロナウィルス感染症が流行してフィットネスを控えていた影響もあるのだと思うのですが、「どこが悪い、ここが痛い」がちょくちょく起こるようになって来ていて、お医者さん通いも増えて来ています。
同世代の友人・知人と顔を合わせると、健康の話で花が咲きます。
我がエカワ珈琲店、セミリタイア商売をして来ていると言っても、暮らしの糧(かて)をコーヒー豆自家焙煎店商売で得て来たわけですから、定休日を決めていて、臨時休業はほぼ皆無、営業時間も決めていて、商品の自家焙煎コーヒー豆も幾種類かの銘柄数は揃えていて、お客さんに商品を選択するという楽しみを用意するなど、それなりにお客さんに配慮する商売をして来たつもりです。
セミリタイア商売ですから、お客さんとの約束事を少なくしていますが、それでも、お客さんとの約束事をそれなりに作っていて、それを守るという商売をして来たつもりです。
それが出来たのは、小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)がまあまあ健康で、連れ合いも、毎月2回から3回の病院通いの日以外は働く事ができたからです。
それにプラスして、商売の拠点となる店舗が、「自宅を兼ねた」というよりも「店舗を兼ねた」という感じの軒先店舗で、夫婦二人で商売をしている限り「ながら商売」を出来る環境が整っていたからです。
10何年かに渡って、気楽なセミリタイア商売を続けて来ているわけですが、最近、そのようなセミリタイア商売をしていても、体力的・精神的に苦痛を感じる事が多くなって来ています。
零細小規模なコーヒー豆自家焙煎店は、コーヒー豆を自家焙煎して、その自家焙煎したコーヒー豆を小売販売している製造小売事業者です。
店舗で販売する自家焙煎コーヒー豆を営業開始時間前までに用意(焙煎)しておかなければ、自家焙煎コーヒー豆小売商売は成り立ちません。
コーヒー豆の自家焙煎という作業、以前はものすごく楽しかったのですが、古希を超えた最近は、少し事情が違って来ています。
相も変わらず、コーヒー豆を自家焙煎するのは好きなのですが、毎日コーヒー豆を自家焙煎するとなると、そして、2回・3回と続けてコーヒー豆を自家焙煎するとなると、体力的・精神的に苦痛を感じるようになって来ています。
10年前、60歳代の前半頃までのように、売れれば売れるだけコーヒー豆を自家焙煎して商品を供給するという商売が出来なくなって来ています。
今年(2023年)に入ってから、連れ合いの健康状態が芳しくありません。
入院の後遺症もあって、連れ合いの体力が衰えてしまっています。
去年までは、販売している自家焙煎コーヒー豆の3分の1くらいは、連れ合いが焙煎していたのですが、今年に入ってからは、小生が一人でコーヒー豆を自家焙煎しています。
今年の2月末から3月初めにかけての2週間、連れ合いが和歌山日赤医療センターで入院・治療してもらってからは、コーヒー豆の自家焙煎も店番も通信販売の荷造りも、ほぼ小生一人でこなしています。
それに加えて、連れ合いの調子が急に悪くなったりして、その時は病院について行くのですが、少なくとも数時間は病院の椅子に座って過ごすことになります。
2週間の入院生活で、連れ合いの体力が相当に衰えてしまって、年齢のせいもあってか、なかなか体力が回復してくれません。
定休日を日曜日と木曜日の週休2日制として、営業時間も午前11時から午後4時までと1時間短縮したのですが、それでも、時間に追われる日常が続いていて、役所に行くのにも、お医者さんに行くのにも、その他の野暮用にも対応する時間的余裕がなくなってしまっています。
小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)、今年の秋には72歳になる高齢者です。
それに、10何年間、気楽なセミリタイア商売を続けて来て、時間に追われる生活に対する耐久力を持っていません。
今のエカワ珈琲店の状況で、今までのようなセミリタイア商売を続けて行くのは体力的にも精神的にも無理だと、最近、ガッテンするようになって来ています。
もう少し、コーヒー豆自家焙煎店商売をダウンサイジングする必要があるのかもしれません。
小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)周辺の同世代の連中ですが、狭い範囲の同世代の連中なら、働いて食い扶持を稼ぎ続けている連中が大半です。
しかし、その範囲を広げると、働いて食い扶持を稼ぎ続けている連中の数は3分の1以下で、少数派となります。
小生の周辺に居る同世代の連中の大半は、公的年金という魔法の財布だけで食べて行ける連中たちです。
小生の持っている魔法の財布は中途半端な大きさで、国民年金だけの連中よりもサイズは大きいのですが、それだけで食べて行くのは絶対に無理というサイズです。
連れ合いは、まだ魔法の財布を持っていませんが、2年と半年後には魔法の財布を手にすることができます。
ほぼ100%が国民年金という魔法の財布ですが、小生と連れ合い、二つの魔法の財布があれば、倹約・節約を徹底する味気ない暮らしで我慢できるなら、何とか食べて行けるようになると思います。
小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)夫婦は、10何年間もセミリタイア商売を続けて来て、そのおかげもあって、それほど倹約・節約をしないで暮らすことが出来ています。
その暮らし方を、少しだけ倹約・節約の方向に舵を切るなら、商売をダウンサイジングしても十分に食べて行けると思っています。
小生の年齢なら、リタイア生活をしている人の割合が、食い扶持稼ぎで働いている人やセミリタイア的に働いている人の割合を大幅に上回っているはずです。
しかし、小生は、リタイア生活とは縁の無い人間です。
今持っている魔法の財布だけでは食べて行くのは無理ですから、コーヒー豆自家焙煎店商売で稼ぎ続けるしか術がありません。
仕事が「コーヒー」、趣味が「コーヒー」、特技が「コーヒー」の小生ですから、生涯に渡って「コーヒー」と「コーヒー商売」に関わって行きたいと思っています。
「コーヒー」と「コーヒー商売」に関わらなくなっている自分を想像する事ができません。
セミリタイア生活があってリタイア生活もあるわけですから、セミリタイア商売もあればリタイア商売もあると考えています。
セミリタイア商売は、ある程度お客さんとの約束事を作って、その約束事を守る商売だとしたら、リタイア商売は、出来るだけお客さんとの約束事を作らない商売だと考えています。
セミリタイア商売は、店側の都合を優先することもありますが、お客さんの都合にも配慮する商売だとしたら、リタイア商売は、店側の都合の優先度が高くて、あまりお客さんの都合に配慮しない我儘な商売になると思います。
独立自営の商売人の最大の財産は健康で、それに次ぐ財産が、長年に渡って商売を続けて来たことによる知識・技術・経験の積み重ねです。
コーヒー豆自家焙煎店商売経験32年の小生(年老いた珈琲豆焙煎屋)は、健康に次ぐ財産は十分すぎるくらい持っていると自負しています。
そして、この健康に次ぐ財産を持っているので、ある程度我儘な商売を続けたとしても、食べて行くくらいの稼ぎは確保できると思っています。
ということで、今年(2023年)の夏から、我がエカワ珈琲店は、リタイア商売の方向に舵を切って行こうと考えています。
リタイア商売の方向に舵を切って行くことで、自分自身のために使える時間を増やして行きたいと考えています。
古希を超える高齢者ですから、毎日適当な時間、意識して適当な運動を続けることが、健康という財産を守る一番の方法だと思っています。
そして、身体をあまり疲労させないように、運動量や仕事量を適度にコントロールして行く必要があるとも思っています。
小生、去年(2022年)の夏頃から、零細生業ジジババ商売という創作用語を使っています。
零細生業ジジババ商売とは、どのような商売なのか、そのイメージが不明瞭のまま使って来たのですが、最近、『零細生業ジジババ商売=リタイア商売』というイメージが固まって来ています。
【PR】年老いた珈琲豆焙煎屋がキンドルでセルフ出版している電子書籍を、3冊紹介させて頂きます。