古希3ブログ

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京都・六曜社三代記、喫茶の一族

2020年9月1日、初版発行、京阪神エルマガジン社発行の「京都・六曜社三代記、喫茶の一族」を読みました。著者は、京都新聞に勤務されている樺山聡(かばやまさとる)さんです。

京都の六曜社という喫茶店の名を、年老いた珈琲豆焙煎屋は、何故か、半世紀近く前、20歳前後の頃から聞き知っています。

京都・六曜社三代記 喫茶の一族

京都・六曜社三代記 喫茶の一族

  • 発売日: 2020/08/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

京都・六曜社は、全国的なマスコミや著名人の文章の中にしばしば登場する老舗の喫茶店ですが、年老いた珈琲豆焙煎屋は、今も昔も訪れたことがありません。

20歳代・30歳代の頃は、時々、京都に出掛けたりしていたのですが・・。

「京都・六曜社三代記、喫茶の一族」は、その老舗喫茶店の経営者三代、初代の奥野實・八重子夫妻、二代目の奥野修さん、三代目の奥野薫平さんの生き様を物語風ノンフィクションとしてまとめた著作、それが年老いた珈琲豆焙煎屋の読後感です。

 

年老いた珈琲豆焙煎屋が夫婦2人だけで営んでいる自家焙煎コーヒー豆小売専門店「エカワ珈琲店」ですが、その前身は、年老いた珈琲豆焙煎屋の母親が営んでいた純喫茶コロナという屋号の喫茶店です。

www.ekawacoffee.work

店舗兼自宅の喫茶店で、京都・六曜社の喫茶店と同じくらいの席数でしたから、1960年代、1970年代前半頃の喫茶店の雰囲気は、子供心に覚えています。

『京都・六曜社三代記、喫茶の一族』を読んでいると、その子供の頃の記憶が蘇ってくるようで一気読みしてしまいました。

 

京都の六曜社はマスコミに頻繁に登場する老舗の喫茶店で、エカワ珈琲店の前身の喫茶店は、六曜社と同じくらいの歴史を持っていますが、地方都市・和歌山市のビジネス街に位置する小さな喫茶店です。

しかし、やはり同じ時代に同じ喫茶店商売を営んでいるわけですから、喫茶店商売の盛衰の経験を共有しているのだと思います。

年老いた珈琲豆焙煎屋は、「京都・六曜社三代記、喫茶の一族」の本を読んでいて、おそらく、あの頃のような喫茶店商売全盛時代が再び訪れることは無いと、確信のようなものを感じました。

 

珈琲専門書籍でも、喫茶店・カフェ案内書籍でもなくて、六曜社という京都の老舗喫茶店にまつわるノンフィクション物語で、読み物としての出来栄えはお金を出して購入するのに十分な水準に達していると思います。

お金を出して購入して損をしてしまったという、あの何んとも言えない脱力感に襲われる類の喫茶店・案内書籍とは、一味も二味も違う本だと思います。

おそらく、そのように感じるのは、年老いた珈琲豆焙煎屋だけ、ということは無いと思っています。