70歳、年老いた珈琲豆焙煎屋の残日録

古希を迎えている年金だけでは食べて行けない高齢者が、高齢者の話題を発信しているニュースレターのつもりです

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零細生業パパママ規模の自営業者は自己雇用者という名の労働者だと思います

個人の起業には、2種類の起業の形があるのだと思います。生業としての起業と、事業としての起業です。

勤めていた職場で居場所が無くなってしまったので、自営業者になって何かを始めたいということで、母親が細々と営んでいたコーヒー屋の仕事を受け継いだのがエカワ珈琲店の始まりで、食べて行くための起業ですから、エカワ珈琲店の起業は生業型の起業でした。

 

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生業型の起業と事業型の起業

生業型の起業は、生計手段確立型の起業ですから、一般的には、収入がそれほど多くありません。それに、生業型起業の場合、仕事に対する熟練度が重要になります。

所得がものすごく低い可能性も、まあまあの所得を確保できる可能性もあるわけですが、働く者の都合に合わせて、柔軟な働き方ができるので、収入が安定していれば気楽な生活を楽しむこともできます。

事業型の起業、ようするに事業機会活用型の起業は、上手く運べば高収入を期待できるわけですが、大きな損失が待っている可能性もあるわけで、大きなリスクを伴います。

それに、事業での成功が目的ですから、気楽な商売というわけにもいきません。

 

零細な自営業者は資本家では無いと思う

生計手段確立型の商売を営む自営業者は、インフォーマル・セクターに属する自己雇用者だと思います。

長期的な雇用契約を、特定の組織や個人と結んでいないのが自己雇用者ですから、パパ・ママ経営の零細な自営業者は、期間限定の労働者や内職従事者と同じインフォーマル・セクターに所属する自己雇用者に分類されるべきですが、現実は、そうなっていません。経営者(=資本家)に分類されています。

ですから、長期雇用の賃金労働者のように、政府・行政からの社会制度的な支援を受けることができません。

 

自営業者になるのは難しく無いと思う

2000年前後の頃までなら、自営業者として起業するには1000万円以上の初期投資が必要でしたから、起業すれば簡単に廃業することができなかったわけです。でも、今(2019年)は違います。

時代が変ってしまって、新規開業資金をそれほど用意しなくても、簡単に起業できる時代になっています。最初、アルバイト的に起業することも可能です。

また、たった一人でも、あるいは、パパとママの二人だけでも商売を営める環境が存在しているので、人を雇用するというリスクを背負う必要もありません。

損益分岐点となる売上が少なくても経営が成り立つ環境が整っているので、生産性の高い商売ができるわけです。

そして、小資本で簡単に起業できれば、一人の人が、雇用者と自営業者の間を、何回も行ったり来たりすることも、政治・行政サイドでちょっとだけ工夫してくれれば可能となる環境が出来上がっています。

 

ギグ経済(ギグエコミー)が自営業(フリーランス)の幅を広げる

インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済形態のことをギグ経済(ギグエコミー)と呼んでいると思うのが、今後、ますます拡大して行くのだろうと推測しています。

自分の能力を発揮できる就職先、条件の良い就職先がなければ、それらを見つけるまでの間、ギグエコノミーの環境下で自営業者(自己雇用者)として働くことも可能な環境が出来上がる一歩手前のところまで来ているような気がします。

問題なのは、零細生業の自営業者(自己雇用者)であっても、公的には、労働者ではなくて経営者とみなされていることです。そのため、長期契約で働いている賃金雇用者と比較して、政府・行政による支援が少なく、社会制度的に様々な不利益を受けることになります。

その不利益を解消しようとする自己防衛反応から、月商100万円足らずの自営業者が、有限会社や株式会社の名刺を持っていたりするわけです。そうすると、馬鹿げた話なのですが、ものすごく生産性が悪くなるわけです。

  

個人起業の変遷

発展途上の低所得の国では、勤務先が不足しているわけですから、生活資金を稼ぐために起業する自己雇用者が多くなります。

昭和20年代、30年代前半の日本が、そうでした。商品を並べておきさえすれば、飛ぶように売れた時代です。

経済が発展して規模の経済の時代となると、労働力が不足していて賃金も上昇しているので、生活資金を稼ぐために起業する人はごく僅かになってしまって、ほとんどの人が雇われることを選択するようになります。1960年以降の日本が、そうでした。

経済が成熟して所得水準も上昇すると、規模の経済の時代が終了します。

働く人の高い能力や高度な技術を活用できる環境が整っているので、ベンチャー起業などの事業機会活用型の起業が増加します。また、企業の生産性が向上するので、賃金労働者の雇用が減少します。

 

雇用は移動している 

21世紀に入ってからの日本ですが、製造業の生産性が極端に向上した結果、条件の良い雇用先が減少してしまって、報酬格差が拡大する傾向にあるみたいです。

アメリカでは起業が活発で、自営業者の数は増加傾向にあるそうです。規模の経済の力が相対的に弱くなったことと、自営業向き商売の事業可能範囲が拡大したのが、その理由だとされています。

企業の技術水準は人的資本に依存しているわけで、人的資本の蓄積なくして企業の存続は不可能なはずなのに、条件の良い企業に就職できる人は限られています。

21世紀に入ってからの日本ですが、条件の良い雇用から条件の悪い雇用へと、雇用が移動しているようにも見えます。

技術・環境が変化したことで、低資本でも起業が可能な状況になっているので、社会システム的な不利益を考慮しなければ、ほとんどの人が自営業の自己雇用者として働くことが可能になっています。

ですから、賃金労働者として働く場所がなくても、収入は相当に少なくなると思いますが、仕方なく自営業者を選択するという方法もあるわけですが、高齢者ならともかく、若い人が仕方なく自営業者を選択するのは避けた方が良いと思います。

 

働き方には3種類の働き方がある

働く人には、賃金労働者と自営業者(自己雇用者)と経営者の3種類あるのだと思います。でも、日本の社会システムは、自営業者(自己雇用者)を経営者に分類しています。

「商品を並べて置きさえすれば、飛ぶように商品が売れた時代」、その時代の自営業者は賃金労働者よりも何倍か経済的に恵まれている人が多数存在していました。

現在はというと、反対になっていて、条件の良い賃金労働者なら自営業者(自己雇用者)よりも数倍経済的に恵まれています。

「自営業者(自己雇用者)」という言葉から「貧乏」を連想するのが、今の日本です。

 

だから、零細小規模な自営業者に愛の手を

政治・行政サイドの自営業者(自己雇用者)への対応ですが、「商品を並べて置きさえすれば、商品が飛ぶように売れた時代」のまま、ほとんど変化していないか、その頃よりも悪くなっています。

自営業者(自己雇用者)とは、自分で自分に雇用されている労働者なのだと、政治・行政サイドにちょっとだけ認識を変えてもらうことができれば、日本の雇用劣化状況も変化するだろうと考えています。

自営業者(自己雇用者)の賃金が増加すれば、賃金労働者の賃金も増加するわけですが、現在の日本では、その反対の現象が発生しているような気がします。

 

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