小生、小規模零細パパママ経営の珈琲豆焙煎屋を営んでいる高齢者(68歳で国民年金を受給している)で、30年近く、珈琲豆の焙煎作業に、日々、従事してきました。
ですから、コーヒー豆焙煎の生産性には、大手・中堅コーヒー企業などの生産性と、小規模零細なコーヒー豆自家焙煎店の生産性、少なくとも2つのタイプの生産性があるのを知っています。
30年近くも珈琲豆焙煎屋を営んでいるわけですから、知らなければチコちゃんに叱られますから。
ということで、セスゴーディンさんのブログ記事『Redefining productivity』を参考にさせて頂いて、生産性の定義について考えてみました。
コーヒー豆焙煎の生産性の定義
30年近く、最高で5kgのコーヒー豆を焙煎できる生産用小型コーヒー豆焙煎機を使って、日々、焙煎作業に従事しているので、コーヒー豆焙煎の生産性にも、色々なタイプの生産性があるのを知っています。
大手・中堅コーヒー企業のコーヒー豆焙煎の生産性は、大型コーヒー豆焙煎機を使う自動化された工場で如何に効率よく焙煎コーヒー豆を大量生産できるかだと思います。しかし、零細小規模で小型生産用コーヒー豆焙煎機を駆使してコーヒー豆を焙煎する自家焙煎店の生産性は、如何に丁寧にコーヒー豆を焙煎できるか、如何に原料のコーヒー生豆の個性を引き出すか、そして、その結果として、付加価値の高い良質の焙煎コーヒー豆を作り出すことができるかだと考えています。
焙煎コーヒー豆の大量生産と少量生産では、生産性の定義が異なっていると考えています。
20世紀の工場の生産性
20世紀(工業の世紀)、資本(投資)の役割は、工業製品(大量生産・大量消費向けの製品)を作り出すことでした。
より少ない労働力で、より多くの価値ある製品を作り出すことのできる工場は、効率的で生産性の高い工場ということになっていました。
工場に設置されるマシーン設備は、個々の労働者が工具を使って手作業で製品を製造するよりも、より多くの製品を、より低コストで作り出すことができました。
投下資本に対してより多くの価値を生み出すので、資本の回転率が上昇して生産性が高くなります。
20世紀の生産性の定義
20世紀(工業の世紀)の生産性の定義、それは、コストカット競争だったと考えます。
「人件費を抑制すること」、「人件費の比率を小さくすること」という、比較的にシンプルなものだったわけです。
短期間で業績を向上させるという目先のことだけを考えると、賃金カットは生産性を増加させます。
競争相手よりも、製品の製造コストをできるだけ低く抑えるのが、コストカット競争のゴール地点ですから、それは底辺への競争を意味しているのだと思います。
しかし、2010年代の欧米先進工業国では、この底辺への競争に対する反発が拡大して来ているように感じられます。
生産性の定義は変わって行く
21世紀の現在(2016年)、工業の世紀(20世紀)の生産性の定義は、もう通用しなくなっているのだと思います。(特に、先進工業国では。)
新しい時代の生産性の定義は、工業の世紀の生産性の定義とは相当に異なっているはずです。
「新しい時代には、新しい生産性の定義がある」と、セスゴーディンさんも語っているわけですから。
新しい世紀の生産性の定義、それは切磋琢磨
イノベーションによってやって来る、人と人とのつながりを重視するビジネスでの競争は、コスト削減競争とは全く異なった次元の競争になると考えています。
仕事の担当者が、次に何をするのかを決定してから仕事に取り掛かって、その決定の良し悪しで(仕事に対する熟練の度合で)、その仕事が成功するか失敗するかが決まるというカタチの競争(切磋琢磨というカタチの競争)、それが、新しい時代の先端的な仕事の在り方になって行くだろうと考えています。
次に何をするかについて決定することは、その決定を実行するために費やす労働力よりも、もっともっと重要な事柄だと考えます。
新しい生産性を担えるのは、次に何をすればよいかを理解している働き手です。
「次に何をすればよいかを知っている働き手によって、素晴らしい仕事をが成し遂げられる」ということが、新しい世紀の生産性の定義だと考えることにしています。
参考