21世紀の現在(2019年)に生きる若い人たちには、石坂洋二郎の小説「青い山脈」は古典だと思いますが、67歳の年老いた珈琲屋には青春小説のままです。
年老いた珈琲屋が、石坂洋次郎作品「青い山脈」を読んだのは、昭和40年代前半で10代の中頃、もう半世紀以上昔の事です。
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戦後初のベストセラー小説「青い山脈」
小説「青い山脈」は、昭和22年6月~10月にかけて朝日新聞に連載、若い男女の交際を描いた青春小説で、その年に新潮社から出版されて戦後初のベストセラーとなったと伝えられています。
アメリカとの戦争に敗れて占領軍の支配下にあった昭和20年代前半、戦後初めてのベストセラー小説となったのが、石坂洋次郎の作品「青い山脈」だったと聞いています。
青い山脈と映画
戦後初のベストセラー小説を記録した「青い山脈」は、昭和24年(1949年)、主演は原節子と池辺良、監督今井正で映画化されて大ヒットしたと伝えられています。
その後も、戦後初のベストセラー小説となった「青い山脈」は、何度も映画化されています。
青い山脈の主題歌
映画『青い山脈』の主題歌として1949年に発表された曲が、小説の題名と同じ『青い山脈』です。
西條八十作詞、服部良一作曲の『青い山脈』は、67歳の年老いた珈琲屋が「青い山脈」を文庫本で読んだ半世紀前の昭和40年代前半には、老若男女の誰もが知っていて口ずさむ歌になっていました。
100万人の作家
1960年代の中頃、小説「青い山脈」の作者である石坂洋次郎は、100万人の作家と呼ばれている売れっ子作家で、数多くのベストセラー小説を世に出していました。
その頃、100万人の作家石坂洋次郎の作品は、いくつも映画化・テレビドラマ化されていました。
吉永小百合主演で映画化された「寒い朝」、星由里子主演で映画化された「颱風とザクロ」、テレビでドラマ化されてブルーコメッツが主題歌を歌った「何処へ」などを読んだ記憶がありますが、ストーリーは覚えていません。
しかし、青い山脈のストーリーは、ある程度覚えています。小説を読み込んでいて、映画も何回か見ている(テレビでですが・・・)からだと思います。
小説「青い山脈」とは
戦争が終わって、同時に国の政治体制も新しくなって、日本に民主主義がやって来た頃の、北国に位置する田舎町の若者たちの青春群像を描いた作品だったと記憶しています。
小説「青い山脈」については、若い人たちが、民主主義について学習するための教養小説的な性格を持つ青春小説という評価もあるようです。
何年か前、還暦を越えた頃、何となく読み返してみたいと思ってアマゾンで探したのですが、中古本ばかりで新刊本は皆無でした。
おそらく、絶版になっていたのだと思います。でも、青い山脈のような古典的な名作が絶版になって、誰も読むことができない何て「ちょっと・・・」と思ったものです。
青い山脈のキンドル版が出ています
それが、最近になってアマゾンで探していると、再び新刊本が売られていました。
小学館のP+DBOOKS(ピープラスディーブックス)で売られていて、ペーパーブック版とキンドル版が揃っています。
ちなみに、P+DBOOKS(ピープラスディーブックス)とは何だということで、調べてみると、「後世に受け継がれるべき、我が国が誇る名作でありながら、現在入手困難となっている昭和の名作の数々を、B6判のペーパーバック書籍と電子書籍を同時に、同価格で発売・発信する、まったく新しいブック・・・」という説明を見つけました。