
エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆は、10月から100グラムあたり50円、価格を見直している。
物価の上昇、原材料費の高騰、そして何より、焙煎という手仕事にかかる手間と時間を思えば、やむを得ない判断だと思う。
今のエカワ珈琲店は、週にたった二日、土曜日と日曜日の正午から午後四時までだけ、ひっそりと店を開けている。
ちなみに、12月からは、家庭の事情で、土曜日と日曜日の午後1時から午後5時までの営業に変更している。
通信販売も続けてはいるが、週に四日ほど発送できる体制を整えていても、注文は相変わらず少ない。鳴かず飛ばず、という言葉がぴったり。
テイクアウトコーヒーの販売はもうやめたが、無料の試飲コーヒーは今も続けている。
空調を効かせた店内で、焙煎したての豆を保管していて、コーヒーを淹れて香りが立ちのぼるその瞬間、店の空気がふっとやわらぐ。
今は、店の休憩室で寝起きしていて、食事も店で作り、店で食べている。
職住分離とは無縁の暮らしだが、それが自然になっている。
「コーヒーの仕事=私たちの暮らし」。そんな等式が、いつの間にか当たり前になっていた。だから、水道光熱費も、ほとんどが営業経費。
2025年11月、販売したコーヒー豆は50キロ。売上は31万円で、100グラムあたりの平均単価は620円。
焙煎に使った生豆は60キロ。仕入れ価格は1キロあたりおよそ2800円、つまり17万円ほど。
売上に対する原価率は55%。目標の50%には、まだまだ届かない。
10月には、コンセント増設のための電気工事で、思わず笑ってしまうような20万円近い請求書が届いた。(信用していたのに裏切られた気分、その業者さんには二度と仕事を依頼しないつもり)
けれど、11月は修理もなく、営業経費は約8万円に収まった。
売上から仕入れと経費を差し引くと、残ったのは6万円。
だが、毎月の借金返済には8万円が必要で、2万円足りない。
さらに、11月は妻が1か月まるまる入院していた。
生活費は5万円ほどで済んだが、健康保険では賄えない医療用具や消耗品に4万円。
合わせて9万円の出費。
つまり、商売の収益でまかないきれなかった金額は、2万円(借金返済の不足分)+5万円(生活費)+9万円(医療費)=16万円。
この16万円を、二人分の公的年金とインターネット副業で補った。
年金はおよそ14万5000円、副業からの収入が1万5000円。
ちょうど16万円です。
11月のエカワ家は、なんとか収支トントンで乗り切れた。
派手さはない。けれど、焙煎の香りに包まれながら、暮らしと仕事がひとつになったこの日々は、静かに、確かに、私たちの時間を支えてくれている。
来年(2026年)は、今のエカワ珈琲店の営業体制で、自家焙煎コーヒー豆の販売量と売上を倍増させるつもり。
決して、夢物語では無いと思う。その地盤は整いつつある。

