エカワ珈琲店の出来事

エカワ珈琲店の爺さんと婆さんの日常と仕事の出来事、それと備忘録・雑記帳。

暮らしの中心にあるもの

妻(エカワ珈琲店の婆さん)が入院して、もう40日以上経っています。

エカワ珈琲店の“婆さん”(小生の妻)は、今も病院のベッドで治療を受けていますが、どうやら今月中には退院できそうです。ほっと胸を撫で下ろす思いです。

入院直後の十日間ほどは、入院関係のやりとりや役所関係の手続きなどに追われ、あちこち走り回っていました。

普段は後回しにしていたことが、急に目の前に積み上がってきたような日々でした。

 

それが一段落すると、急に時間が余りはじめました。

店舗営業は土日だけ、通信販売の注文も少なめ。

月曜から金曜は、まるで水を打ったように静かです。

毎日30分ほど妻の面会に行く以外、何もすることがありません。

ふと気づきました。30年以上、個人商店としてコーヒー豆を焙煎し、販売してきたこの仕事が、いつの間にか自分の暮らしの中心になっていたのだと。

忙しさの中に生きていた日々が、今はぽっかりと空いています。

 

そんな折、店のコンセント回路を3つ増設する工事をしました。

事前にAIで見積もりをして、これくらいの費用なら耐えられるという金額を決めて置いて、その予算内で収まるようにと業者に依頼していたのですが、届いた請求書を見て目を疑いました。なんと、予算の1.5倍です。

そういえば、AIの見積もり回答には「業者の事業形態によって金額に開きがあるので注意」と書かれていたのを思い出しました。

済んでしまったことは仕方ありません。

今後はもっと慎重に、「信用・信頼・安心」を基準にして、丁寧に事を運ぼうと反省しています。

 

予算を数万円オーバーしたため、Windows11のパソコンに買い替える予定だった資金の半分を、電気工事の支払いに充てることにしました。

パソコンの買い替えは、しばらくお預けです。

今の自分の生き甲斐は、やはりコーヒーの仕事です。

若い人のようには動けませんが、これまで積み重ねてきた技術と信頼があります。

だからこそ、これからも“それなりに”稼ぎ続ける自信はあります。

さて、どうすればもう少しこの商売で稼げる時間を作れるだろうか。

 

焙煎機のそばで、静かな平日の朝を過ごしていた。11月11日。

豆のはぜる音と、立ちのぼる香ばしい煙に包まれながら、「暮らしの中にあるもの」について、ぼんやりと考えていたそのとき——電話が鳴った。

入院中の妻からだった。 「来週のはじめには退院できそう」との知らせ。

思わず、胸の奥がふわりとあたたかくなる。うれしい出来事だった。

 

午後には、妻の入院している病棟の詰め所を訪ね、担当の看護師さんと話し合って、退院の日取りを決めました。

今週中には、訪問看護の看護師さんやケアマネージャーさんとの引き継ぎのカンファレンスも予定されているとのこと。

来週から、40数日ぶりに、またふたりの暮らしが戻って来る。

焙煎の煙の向こうに、少し先のあたたかな日常が、ゆっくりと立ちのぼろうとしています。