エカワ珈琲店の出来事

年老いた珈琲豆焙煎屋の日常と仕事の出来事、それと備忘録・雑記帳。

零細生業ジジババ店(エカワ珈琲店)の仕事は家内制手工業

工業の歩み(生産様式の変遷)では、あまり生産効率の良くない家内制手工業に始まって、次いで少しだけ生産効率の良い問屋制手工業が登場して来てます。

問屋制手工業の次の段階は、労働者を工場に集めて効率的に生産する工場制手工業(マニファクチャー)で、産業革命が成熟するまでの工業(生産様式)の主役です。

そして、産業革命が成熟して来ると、工業(生産様式)の主役は、工場制機械工業へと変わって行きました。

 

20世紀は、工業の世紀(工場制機械工業の世紀)だと思っていますが、家内制手工業も問屋制手工業も工場制手工業も存在していたと思っています。

ただ、目立って居なかっただけだと思っています。

 

家内制手工業の定義は、生産者(とその家族)は生産に必要な財を直接所有していて、生産物を販売する手段も持っていて、その仕事の中心は職人(生産者)による手仕事で、ある程度の熟練を必要とするとなっていると思っています。

エカワ珈琲店の仕事(商い)は、その家内制手工業の仕事そのものだと思っています。

 

自店で所有している小型業務用コーヒー豆焙煎機(バッチサイズ5kg)を使って、1回に3kgくらいの自家焙煎コーヒー豆を30分くらいの時間を費やして手作業で丁寧に煎りあげています。

手作業で時間を費やして丁寧に焙煎した自家焙煎コーヒー豆は、自宅と焙煎工房を兼ねた小売店舗で、あるいは、通信販売(エカワ珈琲店ショッピングサイト)で、コーヒー消費者に直接小売販売しています(DtoCの商売をしています)。

 

マスマーケット=工業(工場制機械工業)主義の文化で、そこには家内制手工業の文化は存在していないとエカワ珈琲店は思っています。

家内制手工業の文化と工業主義の文化は、相当に異なっていると思っています。

20世紀の工業の主役は、工場制機械工業でした。

21世紀も、引き続いて工業の主役は工場制機械工業だと思っていますが、20世紀の頃と比べると、その勢いが少し衰えて来ていると思っています。

 

2025年のエカワ珈琲店は、家内制手工業の仕事(商い)をしているコーヒー豆自家焙煎店です。

何世代か前の家内制手工業と2025年の家内制手工業は、手作業である程度の熟練を必要とする「仕事」と言う点は同じだと思っていますが、その「仕事」の在り方は相当に違っていると思っています。

 

何世代も前の家内制手工業の時代と違って、2025年の今は、インターネットが普及していて、ネットワーク環境が充実しています。

家内制手工業を受け入れてくれるコミュニティーマーケットへのアクセスが、ものすごく簡単になっています。

今(2025年)は、生業規模の零細な仕事をしていても、それほど儲けられないかもしれませんが、食べて行くのに不自由しないくらいは稼げるようになって来ていると思っています。

 

和歌山市のエカワ珈琲店は零細生業ジジババ店ですが、老骨に鞭打って自分の信じるマーケテイング理論を駆使してコーヒー豆自家焙煎店商売を続けています。