エカワ珈琲店の出来事

年老いた珈琲豆焙煎屋の日常と仕事の出来事、それと備忘録・雑記帳。

香りの官能検査【食品と香り】

食品の香りを評価する方法は、人による官能検査に依存しているとエカワ珈琲店は思っています。

香りや味を、良い・悪い、強い・弱いと、科学的に完全評価する方法は、現在(2025年)のところ存在していないと思っています。

食品の香りを評価する方法として、人の鼻で香りを嗅ぎ分ける官能検査による評価方法が一般的だと思っています。

 

官能検査の調査方法として、「分析型調査(識別調査)」と「嗜好調査」が知られています。

前者は、食品の香りの強さや弱さ、異臭がするかしないか、特別な香りを持っているかいないかを調べるのに使われている調査方法で、後者は、その食品の香りが好きか嫌いかを調べる調査方法でする

香りの嗜好については、人により好みが異なっているので、出来るだけ多くの人の香りに対する評価を平均化するのが嗜好調査では一般的だと思っています。

 

官能検査をするパネラーの条件は、その人が健康であるという事だと思っています。

一般的に分析型調査では、性別に関係する事無く識別能力を持つ人がパネラーになるのが普通だと思っています。

嗜好調査は、一般消費者の平均的な好みを調べる調査ですから、パネラーに特別な識別能力を求める必要がありません。

その食品の専門家よりも、その食品に興味を持っている一般人で調査するのが嗜好調査の正攻法だと思っています。

 

分析型調査のパネラーはそれなりの訓練を受けている必要があると思っていますが、嗜好調査のパネラーの条件は、その食品に興味を持っている人だけだと思っています。

分析型調査のパネラーの訓練の基本は、調査の数を増やして経験を積むことと、調査する食品に関する知識を増やすことと、香りや味を自分の中で数量化する技術だとエカワ珈琲店は思っています。

分析型調査は少ない人数のパネラーでも十分な調査が出来ると思っていますが、嗜好調査のパネラーは少なくても30人以上は必要だと思っています。

 

香りや味を評価する調査方法として、「分析型調査」と「官能調査」という2つの調査方法による評価が一般的ですが、それ以外に「絶対評価」と「相対評価」という評価の仕方も存在しています。

例えば、食品の香りを評価するのに香りの強さ(どのくらい強いか)を尺度で評価するのが「絶対評価」で、A商品とB商品という2つの同じタイプの商品(食品)を比較して、どちらの商品の香りが優れているかを比較して評価するのが「相対評価」だとエカワ珈琲店は思っています。

 

食品の味や香りを評価する調査環境ですが、出来るだけ消費者がその食品を味わう環境と同じ環境で調査するのが一般的だと思っています。

「食べ物は文化」ですから、食品を味わう環境が変われば、評価も変わるのは当然の事だと思います。