30年から30数年前、「自家焙煎コーヒー豆小売専門店」は、零細生業商売の新しい業態だったと思っています。
1980年代の後半頃から、家庭でコーヒーを楽しむ人たちや職場でコーヒーを淹れてくつろぐ事業所が増えて来ていました。
その家庭や職場で淹れて飲むコーヒーの原料となる焙煎コーヒー豆の購入先として、「自家焙煎コーヒー豆小売専門店」が注目されるようになっていました。
喫茶店で一杯のコーヒーを購入するよりも、焙煎コーヒー豆を購入して「家庭や職場でコーヒーを淹れて飲む」方が、絶対に安上りで香りが良くて美味しいということで、1990年代、家庭や職場での焙煎コーヒー豆需要が順調に増えていました。
「ロースター」と呼ばれる焙煎コーヒー豆業務卸専門の事業者は、卸先の喫茶店がまだまだ健在だったので、「家庭や職場」への焙煎コーヒー豆供給には二の足を踏んでいました。
需要が増えているのに供給が不足していたのですから、「家庭や職場」に焙煎コーヒー豆を供給する商売は、競争相手の少ない素人でもそれほど苦労せずに営める商売だったと思っています。
1990年代は、自家焙煎コーヒー豆を小売販売しているコーヒー豆自家焙煎店の黄金時代だったと思っています。
1989年の夏、それまでの喫茶店商売にピリオドを打って、自家焙煎コーヒー豆小売店商売に衣替えしたのが「エカワ珈琲店」です。
1990年代は、エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆小売商売も順調でした。
今(2024年)のエカワ珈琲店の商売は、その頃(1990年代)のエカワ珈琲店の商売と相当に違った商売をしています。
スペシャルティーコーヒーをキャッチフレーズにして、できるだけ高級な価格で自家焙煎コーヒー豆を販売するという方向で商売をしています。
若い世代のコーヒー豆自家焙煎店商売(文化)の尻尾の部分で、こぼれた果実を拾い集める商売をしています。
エカワ珈琲店は、高齢の夫婦(70代半ばと60代後半)が二人だけで商売を切り回している零細生業ジジババ店です。
最近(2024年の夏頃から)、若い世代のコーヒー豆自家焙煎店商売(文化)について行くのは、もう無理だと考えるようになって来ています。
自家焙煎コーヒー豆小売専門店で頑張っていた30年前の商売を思い出して、あの頃と同じというのは無理ですが、あの頃の商売を今風にアレンジした商売に切り替えることが出来ないだろうかと考え始めています。
1990年代のエカワ珈琲店は、家庭や職場に自家焙煎コーヒー豆を配達する商売が売上の大半を占めていて、店舗での売上は微々たるものでした。
自家焙煎コーヒー豆の販売量・売上が最高頂だった2000年前後の頃は店舗販売も好調でしたが、1990年代の大半は、家庭や職場への自家焙煎コーヒー豆配達で稼いでいて、店舗は、今(2024年秋)のエカワ珈琲店と同じで不定期営業的な商売をしていました。
「家庭や職場に自家焙煎コーヒー豆を配達する」を「宅急便(通信販売)で家庭に自家焙煎コーヒー豆を届ける」に置き換えれば(アレンジすれば)、1990年代のエカワ珈琲店の商売と良く似た商売が出来る時代になっています。
零細生業ジジババ店の場合、体力の問題・健康の問題もあって、「店舗の定休日や営業時間」というお客さんとの約束を守るのは大変難しくなって来ています。
しかし、自家焙煎コーヒー豆の通信販売なら、自前のショッピングサイトや電話で対応するわけですから、高齢の夫婦でも十分に対応出来ます。
エカワ珈琲店(年老いた珈琲豆焙煎屋)の店主は、コーヒー豆の焙煎は趣味で大好きです。
60歳前後の頃のように連続して数バッチ(数回)の焙煎というのは無理ですが、連続して3バッチから4バッチ(月間焙煎量200kgから250kgくらい)の焙煎なら、毎日気分良くコーヒー豆を焙煎することが出来ます。
只今33歳の古き良き相棒のコーヒー豆焙煎機が、元気で働いてくれたならという前提がありますが。
この焙煎量にプラスして、定休日と営業時間を約束して店舗で自家焙煎コーヒー豆を販売するとなると、零細生業ジジババ店の老夫婦には荷が重すぎますが。
「煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆」は、そのシェルフライフの関係から、流通経路の短い通信販売向きの商品だと思っています。
1980年代・1990年代、繁盛しているコーヒー豆自家焙煎店は、自前の配達か通信販売で自家焙煎コーヒー豆を売るのが商売の中心になっていました。
30年前から30数年前頃の商売を思い出して、家庭向けに自家焙煎コーヒー豆を通信販売で売って行きたいと考えているエカワ珈琲店の今日この頃です。
ちなみに、今(2024年)のエカワ珈琲店、売上の大半は、店舗での自家焙煎コーヒー豆の販売です。
これを、売上の大半を「家庭に自家焙煎コーヒー豆を通信販売する」に持って行って、「店舗の営業は不定期営業」に出来たら理想だと思っています。
その理想が、零細生業ジジババ店の生き残って行く道だと思っています。
エカワ珈琲店は、1990年代前半の「自家焙煎コーヒー豆小売商売」について記した電子書籍を2冊出版しています。