古希3ブログ

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売上目標・利益目標を作る商売は魅惑的ですが、最低限食べて行くだけを稼ぐ生業商売が似合っている

33年前、脱サラして自営業者(コーヒー豆自家焙煎店経営)になった頃、これくらいの売上でこれくらいの利益を上げられるように頑張ろうと考えました。

最初に、売上目標と利益目標を作って、その目標を達成するのにどのような商売をすれば良いのだろうかと考えたものです。

 

【参考】「貧乏なのに忙しい」よりも「暇だから貧乏」の方が、気楽に働ける生業商売に似合っています。

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脱サラしてから数年間は、目標を作って頑張ったのですが、結局、売上目標と利益目標を達成できたことは一度も有りません。

あるマーケティングの教科書には、設備やスタッフのトレーニング、プロモーション活動などを整えて、その基盤に基づいて売上目標・利益目標を考える方法が合理的だと書いてあります。

考えてみれば、40歳を目前にして公務員を脱サラした珈琲の素人で商売の素人が、何も基盤となるものを作らずに売上目標・利益目標だけを作って、それを目指して商売を営もうと考える事など無謀だったわけです。

 

売上を増やすための顧客サービス、売上を増やすための宣伝活動、お客さんに満足してもらうのに必要な機器や設備の充実などなど、それらは商売繁盛に欠かせないツールだと思います。

その商売繁盛に欠かせないツールのほぼ全てを持っていなかったわけですから、売上目標と利益目標を作っても、それを達成できないのは当たり前だったと思っています。

 

売上目標・利益目標を作る商売は、事業だと思います。

食べて行くための、暮らしを維持して行くための商売は、生業だと思います。

年老いた珈琲豆焙煎屋は(エカワ珈琲店の店主は)、気楽に働いてお金を稼げればと考えて公務員を脱サラしたのですから、事業としての商売では無くて生業としての商売を求めて居たわけです。

売上目標や利益目標を作る時は楽しいのですが、その目標を達成しようと頑張っている時はあまり楽しくは無くて、思うように目標を達成できない時は、その目標が苦痛になってしまうのは自然の流れだったと思っています。

目標を達成できれば、達成感で気持ち良い時間を過ごせるかもしれませんが、目標の達成に遠く及ばなかったわけですから、「そこには、ただ風が吹いている」ような脱力感が残っているだけだったのを覚えています。

 

20数年前くらいからは、売上目標や利益目標を作るのを取りやめています。

自分から、進んで苦痛や虚しさ(空しさ)の素(もと)を作るのは、馬鹿げていると考えたわけです。

脱サラしてコーヒー豆自家焙煎店商売の仕事に就いたのは(自営業者になったのは)、気楽に働いて暮らして行けたらと考えての事でしたから。

ということで、20数年前から、赤字を出さずに食べて行けるだけ稼げれば、それで満足という気楽な生業商売を続けて今(71歳)に至っています。

 

売上目標や利益目標を作って、その目標を上手く達成できるならば、ものすごく楽しくて面白いだろうと思いますが、それには、それ相応の努力と能力が必要だと考えるようになっています。

怠け者の小生(エカワ珈琲店の店主)には、気楽に働いて赤字を出さずに食べて行けるだけ稼げればの生業商売が似合っているのだと思います。

コーヒー豆自家焙煎店商売を生業で営んでいる限りは、楽しくて面白くて気楽に働ける商売です。

ということで、コーヒー豆自家焙煎店商売に感謝している今日この頃です。

 

【参考】1990年頃なら脱サラ、2023年の今ならセミリタイア