最近のエカワ珈琲店は、スペシャリティーコーヒー生豆を原料に使った煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆を売りものにしています。
昔ながらの(経験豊富な)直火式小型業務用コーヒー豆焙煎機と睨めっこしながら、これまでの経験・知識・技術を駆使して手作業で丁寧にコーヒー豆を自家焙煎しています。
そして、その丁寧に手作業で自家焙煎したコーヒー豆を店舗と通信販売で、直接お客さんに小売販売する商売をしています。
【参考】この記事に登場するエカワ珈琲店とは、どんな珈琲屋か、下のリンク先ページの記事で確認して頂けます。
エカワ珈琲店は、2000年代の後半からスペシャリティーコーヒー生豆を原料に使って煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆を売る商売をしています。
しかし、その事を売り物にしても商売が成り立たないと考えていたので、大量生産・大量流通のレギュラーコーヒー豆商売と同じ領域のコーヒー消費市場で、価格訴求依存型の商売を続けていました。
2020年の春、新型コロナウィルス感染症パンデミックがやって来るまでは。
零細生業パパママ店規模のコーヒー豆自家焙煎店が、規模の大きいコーヒー会社のレギュラーコーヒーと同じ価格訴求依存型の商売をしていたのでは、貧乏暇無しの商売になってしまいます。
そう言うわけで、2020年の春頃のエカワ珈琲店は、儲けられない個人商店になってしまっていました。
2010年代、スペシャリティーコーヒー生豆調達価格が相当に上昇していたのですが、それを価格転嫁できず、店舗小売については、赤字では無かたのですが儲けが相当に減少していました。
通信販売は、それにプラスして配達送料の値上げにも遭遇したので、赤字スレスレの状態になっていました。
新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響でオフィス・飲食店・宿泊施設・ライブハウスなどへの自家焙煎コーヒー豆業務卸が壊滅状態になってしまったのを契機として、自家焙煎コーヒー豆販売価格の価格適正化に着手することにしました。
意を決して、ほとんど儲けが出無い商売から、適正利潤を得てそれなりに儲けられる商売への転換を決意したわけです。
ということで、2020年の夏頃から2022年の秋にかけて、値上げに次ぐ値上げを決行しました。
2023年新春の自家焙煎コーヒー豆100g当たりの平均小売価格は、2020年の初め頃とくらべると1.6倍くらいになっています。
2010年代の10年の間に、「スペシャリティーコーヒー」と「煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆」の意味を理解してくれるコーヒー消費者が増えていたようです。
値上げに次ぐ値上げを決行しても、自家焙煎コーヒー豆の売上はもちろん、自家焙煎コーヒー豆の販売量も客数も変化せず、反対に少しずつ増えて来ています。
ただし、客数は変化していませんが、お客さんの顔ぶれは少し入れ替わっています。
もちろん、値上げに次ぐ値上げを実施するわけですから、「スペシャリティーコーヒー」と「煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆」の意味と「エカワ珈琲店」を認知してもらう努力はしています。
2010年代、スペシャリティーコーヒー生豆価格の上昇や配達送料の上昇に対応すべく、宣伝広告活動・販促活動を取りやめるという経費節減を実行したのですが、それが間違っていたのだと思います。
脱サラして実家のコーヒー豆自家焙煎店商売に従事した頃、商売の先輩に売上の10%は広告宣伝費に充てるべきだと教えてもらったことがあります。
1990年代は、その教えを守って売上の大体10%を宣伝広告費に充てていました。
その結果、1990年代は、商売は順調に推移していたのだと思います。
2000年代になって、ある程度の商売基盤が出来上がっていたので、広告宣伝費・販促費を削ってしまって、エカワ珈琲店の長期低迷・低落が始まったと反省している今日この頃です。