2010年代に急増した外国人の日本旅行、その大半は決められた観光コースを周遊する団体旅行です。
新型コロナウィルス感染症パンデミックの前(2019年)までは、年老いた珈琲豆焙煎屋の住む和歌山市でも、団体旅行の外国人観光客が大勢やって来ていて、和歌山城やその周辺に外国人観光客が溢れていました。
和歌山城の周りは外国人観光客であふれていた
2010年代中頃から、日本にやって来る外国人観光客が急増して、和歌山市でも、あちらこちらで外国人観光客に出会うようになっていたのですが、和歌山城の近くで珈琲商売を営んでいるエカワ珈琲店(年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が二人だけで営んでいる店)は何のメリットも受けていません。
団体旅行の観光客が幾ら増えても、零細生業規模の商売には何のメリットも無いと納得させられたものです。
新型コロナウィルス感染症パンデミックが収束して、和歌山市観光が活性化するのなら、団体旅行の観光客では無くて、個人旅行の観光客が増えてくれることを期待している今日この頃です。
団塊の世代やアンノン族は
2010年頃、年老いた珈琲豆焙煎屋は、日本人の国内旅行については、決められた観光コースを周遊する団体旅行が余り流行らなくなって行くと考えていました。
理由は、忙しく働くことから開放された団塊の世代やアンノン族は、団体旅行ではなくて旅をするはずだと考えたからです。
彼ら、彼女らは、若い頃、失恋をすればバスに乗って岬めぐりをしたり、北国行きの列車が来たら飛び乗って旅に出たり、あづさ2号に乗って信州を旅したりしていた世代です。
そして、失恋でなくても、ただ一人で旅に出て人生を振り返ったり、風にふるえる緑の草原で父や母を思いだしたり、ひとりで行くんだと言ってシベリア鉄道に乗ってヨーロッパに旅行をした世代です。
30代・40代・50代・60代と、時間が自由にならなかったから旅をしなかったわけで、忙しく働くことから開放されて、自由になる時間が多くなってくると、若い頃を思い出して旅に出ることもできるわけです。
外国人観光客が日本の観光シーンを
団塊世代とアンノン族ですが、日本の消費をことごとく変えて来た世代ですから、今度も、日本の観光シーンを変えてしまう可能性もあると考えていました。
しかし、団塊の世代やアンノン族が日本の観光シーンを変えてしまう前に、外国人観光客が日本の観光シーンを変えてしまっていました。
新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響で外国人観光客の姿を見なくなって、日本人の団体旅行も消えてしまっていますが、団塊世代やアンノン族が旅をしている姿には時々出会います。
彼ら彼女らは、一人だけで旅をするのでは無くて、夫婦で、気の合う仲間同士で旅を楽しんでいるようです。
観光スポットの多い少ないで
これからの観光地の優劣ですが、観光スポットの多いか少ないかの勝負になる可能性が高いと考えています。
団体で観光バスに乗って、決められた観光コースを回るのではなくて、ただ何となく気の向くままに、いくつかの観光スポットに立ち寄る旅が主流になれば、必然的に観光地の在り方も変わって行くと思います。
旅行会社の観光コースに入れてもらって、観光名所の近くでお土産を販売したり食事や飲み物を提供する商売だけがメリットを受けるのではなくて、旅行会社の観光コースに入れてもらえない街中の小さなコーヒー豆自家焙煎店でも、観光客から何らかのメリットを受け取ることができるようになって行くかもしれません。