香りの感じ方

年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いは、地方都市の和歌山市でエカワ珈琲店という屋号のコーヒー豆自家焙煎店を営んでいます。

1杯のテイクアウトコーヒーも売っていますが、主たる商売は自家焙煎コーヒー豆小売商売ですから、煎りたて・新鮮な自家焙煎コーヒー豆を何日分かを店舗に在庫していて、その香りが店舗内に充満しています。

また、自家焙煎コーヒー豆を豆の姿形のままで買ってくれるお客さんばかりで無くて、粉に粉砕した自家焙煎コーヒー粉を買ってくれるお客さんも居ます。

自家焙煎コーヒー豆をコーヒーミルで粉砕するのですが、その時に生じるコーヒーの香りも店舗内に充満しています。

ということで、年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いは、毎日・毎日、コーヒーの香りの中で暮らしているわけです。

 

年がら年中、コーヒーの香りの中で暮らしていると、コーヒーの香りに対して鈍感になってしまいます。

年老いた珈琲豆焙煎屋だけでなく、その連れ合いも、コーヒーの香りに鈍感になっています。このように、ある香りに対して鈍感になる現象を、嗅覚疲労というそうです。

 

年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いは、毎日、24時間、コーヒーの香りの中で暮らしています。ですから、コーヒーの香りが体中にしみこんでいます。

外出すると、しばしば、「コーヒーの良い香りがする」と指摘されます。

本人には、わからないのですが、体中からコーヒーの香りを発散しているようです。

コーヒーが、香水の代わりをしてくれているわけです。

このような現象を、「香道を作っている」と表現するそうです。

年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いは、知らず知らずのうちに、コーヒーの香道を作っているようです。

 
同じ種類の香りをずっと感じ続けていると、嗅覚が疲労して、その香りを識別できなくなることを、「順応」と呼んでいます。

エカワ珈琲店は、自宅兼店舗兼焙煎工場ですから、常にコーヒーの香りが蔓延しています。しかし、家の中に漂っている香りを、ほとんど感じることができません。

毎日、コーヒーの香り中で暮らしているので、コーヒーの香りに順応してしまっているようです。

 

香りに対する順応には、同じ種類の匂いに対して感覚が低下する自己順応と、異なった種類の匂いに対して感覚が低下する相互順応(交差順応)があって、高年齢になるほどその程度が進行するそうです。また、香気物質によってその進行状態が異なるとも言われています。

そして、このコーヒーの香りですが、どうも、人間の健康状態を良い方向に改善する力を持っているのかもしれません。

 

何も科学的根拠があるわけでもないので年老いた珈琲豆焙煎屋の妄想かもしれませんが、年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いは、そのように考えているわけです。

年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いの家業はコーヒー豆焙煎加工小売業ですが、その仕事が、生活のためお金儲けのためだけでなくて、自分たちの健康にも貢献してくれているのだと感謝している今日この頃です。