70歳、年老いた珈琲豆焙煎屋の残日録

古希を迎えている年金だけでは食べて行けない高齢者が、高齢者の話題を発信しているニュースレターのつもりです

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底辺への競争と永遠の不況、そして新しい産業革命の始まりについて

もう10年くらい前(2011年)のことで、リーマンショック不況が全世界を覆っていた頃の話です。

seth godin's(セス・ゴーディン)ブログの「The forever recession and the coming revolution 」を読んでいて、「そうなのだ!!」と合点するものがあったのを記憶しています。

seths.blog

 

2010年前後、バブル経済が崩壊して、その後20年間以上に渡って続いていた経済停滞を「日本の失われた20年」と呼んでいました。

その「日本の失われた20年」という経済停滞ですが、最初の何年間を除いて、その大半は「底辺への競争」の結果としての「永遠の不況」なのかもしれないと合点したわけです。 

 

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以下は、そのセスゴーディンさんのブログ記事を意訳引用させてもらった記事です。(2011年9月の記事)

 

景気循環型の不況なら、必然的にやって来て、ある一定の期間を経過した後、必然的に去って行きます。

政治が介入することで、不況の期間を短くすることもできます。でも、無理な不況対策は、有害であって無駄そのものです。

現在のアメリカの不況は、その景気循環型の不況ではなくて、新しい形の不況・『永遠の不況』だと思います。

生産性が向上することで、良好な仕事が減少して、失業が増加して、消費意欲が減少するタイプの不況だと思います。

 

工業製品の輸出が増加して、大規模な設備投資が実施されて、工場雇用が回復すると信じることができません。

インターネットが普及して、多くの非効率なシステムに必要以上のお金を支払うことが無くなりつつあります。

インターネットの普及によって、全てのデジタルデータが結合されて、20世紀の工業時代に作り出された仕事を広範囲に排除しつつあります。

 

コミュニティーが、企業誘致や産業育成のために、減税・労働基準・環境基準の緩和を競うことで、労働環境や自然環境・社会福祉などが最低水準に向うことを『底辺への競争』と呼んでいます。

問題は、誰もが、この『底辺への競争』に巻き込まれる可能性があるということです。そして、その『底辺への競争』が『永遠の不況』を生み出しているのだと思います。

 

最新鋭の工場は、20世紀の工業時代のシンボルでした。都会のビルディングの群れは、あらゆる職種の事務作業や営業活動の拠点が一箇所に集積しているということで、企業にとって効率的でした。

集積度の低い地方の町は、大量生産の利益とは無縁の存在ですから、衰退して行くしかありませんでした。衰退を食い止めるのが、企業の工場です。

 

20世紀の工業時代、地方の町の工場では、それなりの賃金で労働者を雇用することができました。21世紀、経済のグローバル化によって、そのシステムが崩壊しつつあります。

インターネットが普及して経済がグローバル化することで、地理的な障害が排除されて、賃金や商品・サービス価格のフラット化・低価格化が進行しています。

誰も、代替可能な仕事や商品に必要以上のお金を支払うのは馬鹿げていると思い込むようになってきています。

 

産業革命とともに始まった工業時代は、次第に勢いが衰えつつあります。もはや、経済を成長させるエンジンには成り得ません。これは、時代の変換点を意味しているのだと思います。

誰もが従来型の安定を望んでいるとしても、それを手に入れるのは無理だと思います。工業化時代は、終焉を向かえつつあると考えます。

 

でも、悲観的な議論ばかり繰り返していても、未来は開けません。インターネットとグローバル化に起因する新しい産業革命は、多くの種類の新しい生産力と新しい機会を作り出しています。

この新しい産業革命によって作り出される富の大部分は、工業時代の従来型の仕事によって生み出されるわけではありません。

 

誰もが、ラップトップコンピューターを持っていて全世界とつながることができれば、誰もが工場を所有している状態を作り出すことができます。

物理的に一箇所にてシステム化した大規模な工場の代りに、1つ1つの小規模な工場が、労働と資源を結びつけ価値を作り出し、消費者の注目を集めることが可能になっています。

 

もちろん、多くのストレスが発生します。誰も、新しい産業革命によって富を生み出す方法を、教えてくれません。誰も、新しい産業革命によって富を生み出す訓練を受けていません。
まず、新しい仕事を実行してみるしかありません。その結果、新しい仕事で成功を収めるかもしれません。

 

新しい仕事は、ちっぽけなプロジェクトを混ぜ合わせたもののように見えるかもしれません。新しい仕事は、工業時代の従来型の仕事の薄ぺらなモノマネのように見えるかもしれません。

ある人は、インターネットとグローバル経済によって作り出される工場を、ある種専門家(職人、技術者)のプラットホームであると理解するかもしれません。

このプラットホームは、不特定多数の人たちの生き残りを保証するだけでなくて、不特定多数の人たちにはるかに大きな公平な競争の場を提供してくれます。

 

しかし、全世界で何億人もの人たちが、そのチャンスを持っています。

時代の流れは、私たちの意識と無関係に変化して行きます。一つの方向は、できるだけ何事にも期待を持たないことです。そして、もう一つの方向は、『頂上への競争』です。

 

何かを待ち望んでいる誰かに、その何かの提供を開始することです。そして、イノベーション(変革)とインスピレーション(ひらめき)をベースとして、マーケティングの比重がより大きくなって行くと想像しています。

速く、安くを求められる企業の工場の雇用は、もっともっと少なくなって行くと考えています。

企業の工場に代って、人と人がつながる形の工場が影響力を発揮する時代になると思っています。

 

これは、従来型の私たちの期待を変更する必要があることを意味しています。仕事のトレーニング方法や、将来の働き方を変更する必要があることを意味しています。

それでも、もはや存在しない従来型の期待と戦い続けるよりは賢明だと思います。

永遠の不況は、経済成長が続く期間によってフォローされています。雇用の創出は、偶像崇拝にすぎません。

 

新しい産業革命は、そのうちに、私たちの社会の構造を変えてしまうはずです。私たちの誰もが、社会の変化を望んでいるわけではありませんが、そのうちに、新しい産業革命に参加することになるのだと思います。

私たちが、新しい産業革命による新しい仕事に取り掛かることで、永遠の不況による苦痛は、速やかに取り除かれて行くはずです。

 

新しい産業革命は、工業時代をもたらした産業革命と、少なくとも同じくらいの大きさを持っていると考えています。

工業時代をもたらした産業革命は、社会の構造のほぼ全てを変えてしまいました。