30代後半に脱サラ、自家焙煎コーヒー豆小売専門店「エカワ珈琲店」を30年間営んで来て、一番後悔していることはというと、気楽に『借金』をし過ぎたということです。
もし、借金に恐怖感を持っていたなら、気楽に借金をすることもなくて、証券投資で損失を被ることもなくて、しがない生業商売を続けているのではなくて、法人商売に脱皮出来ていたかもしれないと考えることがあります。
借金返済額は減ったけれど
2001年、毎月5万円ずつ返済していた国民金融庫(2019年現在、政策投資銀行と社名が変わっています。)の借金を完済しました。
それから5年後の2006年、毎月10万円前後支払っていた信用保証協会の保証がついた和歌山銀行(2019年現在、紀陽銀行に吸収合併されて紀陽銀行となっています。)の借金を完済しました。
1995年頃の借金返済最盛期と比べると、2006年当時、上記2行の15万円以外にも、いろいろな借り入れ金を返済し終えているので、毎月の借金返済額は30万円くらい減っていました。
しかし、借金返済額が減った分、貯金できるかというと、それほど甘くはありません。
毎月の借金返済額は減少したのですが、売上は、それ以上のスピードで急速に減少して行きました。
2000年代前半のエカワ珈琲店は
2000年代前半のエカワ珈琲店は、売上の半分がオフィスへの焙煎コーヒー豆の配達で、残りの半分は焙煎コーヒー豆の店舗小売りという塩梅でした。
煎りたて、新鮮、香りの良い、高品質の焙煎コーヒー豆を、できるだけ低価格で販売する商売を営んでいたのですが、オフィスへの焙煎コーヒー豆の配達でも、焙煎コーヒー豆の店舗小売りでも、ものすごいスピードでお客さんが消えて行きました。
当時のエカワ珈琲店には、オフィスコーヒー専業の大手企業や大手コーヒー企業のサービス攻勢に抗う術が無かったわけです。
現在(2019年)も、オフィスコーヒー専業の大手企業や大手コーヒー企業のサービス攻勢に抗う術は無いのですが、コンビニコーヒーの登場や世界的なコーヒーブームの影響で、当時と比べれば消費者意識が少し変化して来ているように思われます。
借金の返済額が少なければ
2006年頃、毎月10万円の支払が無くなるのだから、その半分の5万円くらいは毎月貯金できるはずだと考えていたのですが、急速な売上減少を経験することで、それは、夢のまた夢となってしまいました。
2000年頃の調子で商売が続いていたとすれば、そして、借金返済額がもっと少なかったなら、現在(2019年)のエカワ珈琲店は、相当裕福になっていたはずだと考えると悔しさがこみあげて来ます。
1990年代後半、今(2019年)から振り返ると、エカワ珈琲店の業績は絶好調だったのだと思います。
でも、当時のエカワ珈琲店は、借金の返済と利息の支払いに追われていましたから、それを味わう余裕が無かったのだと思います。
ということで、『エカワ珈琲店の後悔』です。
身の丈にあった生活・商売をするのなら、それほどお金を必要としません。
生業商売には借金は似合わないというよりも、商売活動の邪魔になります。
人のために一生懸命働いているのに、感謝してもらえないのが借金です。
感謝してもらえないだけでなくて、ちょっとでも支払いが滞れば、強圧的な催促を受けるのが借金です。
ですから、借金は避けるべきだと思います。もちろん、相手が誰であっても、保証人になってはダメだと思います。
経験から、保証人を頼みにくる人とは、付き合いを断つのが賢明だと思います。
保証人=お金を貸すのと一緒のように見えますが、保証人になるということは、余っているお金を融通するのではなくて、高利で借金をして無利子でお金を貸してあげることを意味していると考える必要があると思っています。