1980年代、「お茶する」といえば、喫茶店でコーヒーを飲むことでした。
待ち合わせに使ったり、時間つぶしの会話の場所に使ったり、昼食やお昼休みの休憩に利用したり、朝食にモーニングサービスを食べたりと、朝から夕方まで便利に喫茶店を利用していたわけです。
1990年代になると、「お茶する」場所ですが、喫茶店だけでなくてファミリーレストランを利用することが多くなりました。
喫茶店のコーヒーと同じ値段で何杯も「おかわり」ができて、椅子のすわり心地も、喫茶店のように狭苦しくなくてゆったりしているのですから、「お茶する」場所にファミリーレストランを使う人が増加するのは自然の流れだったのだと思います。
30歳以上の世代はファミリーレストランでしたが、10代・20代の若い人たちの「お茶する」場所はというと、それはマクドナルドやロッテリア、ミスタードーナツなどのファーストフードの店だったわけで、喫茶店を利用する若い人は皆無といってよい状況でした。
そして、21世紀に入ると、「お茶する」のは喫茶店という1980年代の風潮は消滅してしまいます。
「お茶する」場所なら、ファミリーレストランやファーストフードの店舗でというのが常識となったわけです。
スターバックスやドトールなどのチェーン店や有名な喫茶店なら、コーヒーを飲みに一見さんが来店するわけですが、小規模な喫茶店に一見さんが来店する風景を見ることは、ほとんど無くなってしまっています。
常識的に考えて、個人経営の昔ながらの喫茶店は衰退業種なわけですから、喫茶店数の減少は、今後も続いていくのかもしれません。
というよりも、喫茶店チェーンの店舗数は増えて行くと思いますが、個人経営の喫茶店は全く儲けられない商売ですから、間違いなく減少して行くと思います。
街中の個人経営の昔ながらの喫茶店で、何とか経営を維持しているのは、昭和の時代から続いている常連客に支えられた歴史の長い喫茶店だけのように見えます。
ということで、街中にて、個人で「小さな喫茶店でも経営してみたい」のなら、相当な覚悟が必要な時代になっているのですが、個人で「小さい喫茶店でも経営してみたい」人が多いみたいです。
その中に、公的年金を受給できる65歳に到達したリタイア世代が、残りの人生を楽しむために小さな喫茶店を開業するという事例もあるようです。