エカワ珈琲店の出来事

年老いた珈琲豆焙煎屋の日常と仕事の出来事、それと備忘録・雑記帳。

団塊の商売人と団塊消費

夫婦(男女)ともに厚生年金や共済年金に加入している期間が長かった世代が、団塊の世代です。

ですから、比較的に年金収入が多い世代(平均して)なのだと思います。(エカワ珈琲店は例外ですが)

 

その団塊の世代の人たちですが、一度目のリタイア(退職)は完了しているわけで、働いているといっても、年金という基礎的な収入が確保されているので、学生時代と同じでアルバイト感覚で働いている人も多いのだと思います。

 

団塊の世代 (文春文庫)

団塊の世代 (文春文庫)

 

 

2000年代の中頃、団塊世代の先頭の人たちのリタイア(退職)が始まると、多額の退職金を手にした団塊の世代による特需(バブル)消費が発生するだろうと、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミがはやし立てていたのですが、そのような特需(バブル)消費は発生しませんでした。

 

常識的に考えて、30年も40年も働いて手にした退職金を一度に消費してしまうことなど有り得ませんから、団塊退職特需(バブル)など発生するはずが無かったわけです。

原則として、退職金は家族の共有財産だと団塊の世代に属する人たちは考えているのだと思います。(ですから、団塊退職特需(バブル)の発生など考えられません)

団塊世代は日本の消費をリードして来た世代ですから、消費については年季が入っているわけで、マスコミに踊らされることも無かったわけです。

 

退職金を消費してしまうことなど、まず考えられないのですが、年金収入や働いて得た収入については、そのほとんどを消費にまわしても支障を感じないはずです。

でも、自分たちの需要を満足させてくれる商品・サービスが、それほど多くは存在していないのだと思います。

 

世間に存在する商品・サービスは、現役世代を対象としたモノが多いわけですから、あるいは、現役世代が団塊世代向けに開発した商品・サービスですから、当たり前のことなのかもしれません。

長年のサラリーマン(サラリーウーマン)生活からリタイアした団塊世代は、比較的お金に余裕のある世代なのだと思います。(エカワ珈琲店のような例外もありますが)

 

自分たちの需要を満足させてくれる商品・サービスが存在すれば、そして、それが手の届く範囲内の価格ならば、間違いなく、その商品・サービスを消費するはずです。(ローンによる購入は、有り得ないと思いますが)

もしかしたら、現役世代の人たちは、団塊世代をターゲットとするマーケティングが不得手なのかもしれません。

 

団塊世代のマスコミ離れなども、その一つなのだと思います。

外食なども、団塊世代の嗜好を満足させてくれる飲食店が少なくなっているのだと思います。ファッションについても、同じような感じになっているのかもしれません。

 

ということになると、エカワ珈琲店のように団塊の世代に属する商売人にも、光が見えてくるのだと思います。

団塊世代に属していて、団塊世代の生活様式を自ら体験・熟知しているわけですから、若い世代をターゲットとする商売が不得手でも、同世代をターゲットとする商売なら何とかなるかもしれません。

 

お金に余裕のある団塊世代をターゲットとして商売を営むことができるのなら、それが零細小規模なエカワ珈琲店クラスの商売であったとしても、これから10年くらいは食うに困ることが無いだろうと、ほくそ笑んでいる今日この頃です。

 

ちなみに、エカワ珈琲店の場合、年金収入だけでは食べて行けませんから、商売を続ける必要があります。

でも、その食べて行くには足りない年金収入が、60歳代半ばという年齢のハンディキャップをカバーしてくれています。

それに加えて、団塊世代の消費に対応することも可能な商売人ですから、もしかしたら、今後10年間くらいは、食べるのに困ることは無いだろうと考えています。(エカワ珈琲店は、絶対的貧困の一歩手前を経験しています)

 

エカワ珈琲店の経営者夫妻は、コーヒー商売が好きですから、都市ガスでコーヒー豆を焙煎することのできる現店舗で、少なくとも今後10年は、現在の商売を続けて行くつもりです。